マーケットトレンド の キシリトール 産業
砂糖不使用製品に対する需要の高まり
砂糖の摂取量に対する関心の高まりが、砂糖入りチューインガムの消費量の減少につながっている。先進国市場と発展途上国市場で無糖チューインガムと菓子の需要が高まっていることが、キシリトールのような非カロリー甘味料市場を牽引している。そのため、キシリトールは無糖チューインガム、キャンディー、ミント、糖尿病向け食品、口腔ケア製品の一般的な成分となっている。米国では、Trident、Orbit、Extra、Dentyne 5、Eclipseといった主要なチューインガム・ブランドが、無糖でミント風味のガムを専門としている
国際糖尿病連合によると、2021年には中国が最大の糖尿病人口となり、1億4,090万人が罹患するという。砂糖の摂取を減らすことの利点には、減量や肥満防止に役立つこと、2型糖尿病や糖尿病予備軍のリスクを下げること、過敏性腸疾患やクローン病などの炎症性消化器疾患のリスクを下げることなどがある。カナダ農業・農産物食品省によると、日本で販売されるベターフォー・ユーおよび減糖菓子の小売販売額は、2021年に約7億6,200万ドルに達した
北米が市場で圧倒的なシェアを占める
米国は、世界市場においてキシリトールの最大消費国のひとつである。低カロリー、虫歯予防効果、低炭水化物など、複数の健康上の利点があるため需要が高い。このため、米国では健康志向の消費者の間でキシリトールの利用が進んでいる。米国食品医薬品局(US FDA)は、特定のダイエット目的の食品へのキシリトールの使用を直接食品添加物として承認しており、これはさらに他のすべての無糖・無添加製品にも適用され、「一般に安全と認められている(GRAS)に分類されている
さらに、心臓発作、肥満、糖尿病患者の増加により、人々は砂糖を使わないライフスタイルに移行している。国立統計地理学研究所によると、メキシコではCOVID-19に次いで心臓疾患が最も多い死因となっており、2021年の最初の6ヵ月間に11万4千人近くが死亡している。米国を拠点とする世界的なサプライヤーは、市販のキシリトール生産用の原料として木材を使用している。キシリトールはまた、口腔衛生製品、医薬品、化粧品、トイレタリー製品にも幅広く認可されている