マーケットトレンド の 武器と弾薬 産業
新世代の携帯型爆発兵器システムへの需要増加が市場成長を牽引
- 世界的な国防費の増加と国防軍による次世代兵器の調達増加が市場の成長を牽引している。2021年、世界の防衛費は2兆米ドル以上に達した。戦場環境の進化は、その後の武装のアップグレードとカスタマイズを必要としている。
- 現在、米陸軍は旅団戦闘チームの短距離防空能力の向上に注力している。無人航空機システム(UAS)、巡航ミサイル、長距離ロケット(LRR)の出現は、地上歩兵部隊を脅かしている。そこで、米陸軍は短距離防空(SHORAD)を優先し、このコアコンピテンシーのために部隊を再活性化し始めた。米陸軍と米海兵隊は、M72肩部発射型ロケットランチャーを改良して全体重量を軽減し、さまざまな弾頭を開発するほか、この兵器を主に軽量対戦車兵器として採用する意向だ。
- また、ロシアとウクライナの戦争や国境を越えた紛争が続いていること、地域全体でテロが増加していることなどから、欧州各国は国防費を増やしている。ドイツ政府は2022年の予算から軍事投資に1000億ユーロを拠出することを決定した。高精度で軽量かつコンパクトな兵器システムの必要性から、技術革新者たちは高度な兵器システムの開発に多大な資源を投じてきた。
- 技術の進化は、照準器、暗視装置、照準レーザー、レーザー距離計、火器管制システムといったさまざまな付属品に支えられた、高い命中率を誇る誘導兵器の開発につながった。こうした開発は、予測期間中、武器・弾薬市場の携帯火薬分野を牽引すると予想される。
北米は予測期間中に著しい成長を見せると予測される
- 北米が市場を支配しており、予測期間中もその支配が続く。成長の背景には、米国とカナダからの国防費の増加と先進的な武器・弾薬の調達の増加がある。米国は世界最大の国防支出国であり、2021年の国防予算は8,010億米ドルであった。2023年、米国政府は武器調達に47億米ドルの予算を割り当てた。
- さらに、米国は軽兵器のパイオニアであり、先進兵器システムの調達における着実な成長率を通じて、自国を軍事支配の頂点に位置づけている。
- 米国防総省(DoD)が、より優れた兵器を軍隊に装備するために支出を増やしている主な理由のひとつは、戦争の性質の変化である。兵器は、信頼性の高い運用を保証し、新しい統合設計の変更に伴う性能強化のレベルを見積もるために、広範なテストにさらされている。
- 例えば2023年2月、米国はノースロップ・グラマン社およびグローバル・ミリタリー・プロダクツ社と、ウクライナ向けの大砲弾薬を製造する5億2200万米ドル相当の契約を締結した。
- また2022年9月、米陸軍は5.56 mm NATO訓練用弾薬を供給する1億1,400万米ドル相当の5年契約を締結した。AA40 5.56 mm NATO弾薬は、米軍の各兵科で訓練用のライフルやカービンに使用されている。