マーケットトレンド の 米国の監査サービス 産業
ビッグ4による監査の質の低下
米国における監査サービス市場の集中度の高さを考慮すると、投資家は監査の集中度が低下する可能性について問題を提起しており、その結果、投資家の保護も低下する可能性がある。いずれかの監査法人が禁止されたり、業務停止処分を受けたりすれば、他の市場が処理できないような大きな空白が生じるため、市場に壊滅的な影響を与える可能性がある。同じことを考えると、これらの監査法人は、監査規制当局から自分たちの立場について合理的に保証されていることになる。監査人は急速に自己満足に陥っており、すでにコスト削減のために特定の監査手続を廃止し、よりリスクの高いクライアントを引き受け、経営陣の要求に同意し、信頼される監査法人というブランドの下で、よりリスクの高い非監査サービスラインを積極的に拡大している
その大きな要因は、Big4ファームとその子会社の仕組みにあると考えられる。これらの子会社は、同じ理念を共有するグローバル・ネットワークの子会社というよりも、法的に別個の事業関連会社として機能している。規制当局が断固とした措置を取らない限り、監査の質はさらに低下することが予想される
ビッグ4、在任期間の長期化に伴い監査報酬を増額
大手4会計事務所が競争や規制の欠如を利用して収益を上げていることを示す重要な証拠のひとつに、在職中の企業に対する監査報酬の引き上げがある。慣例では、長期にわたってビジネスを提供してきた顧客に対しては、監査報酬を低く設定することになっているが、米国の4大監査法人はそうなっていない。ファームがこのような値上げを正当化する理由として挙げるのは、事業の成長に伴って仕事量が増えていること、企業構造の変化により監査に負担がかかっていることである。しかし、大手4社以外の監査法人は、監査報酬は横ばいで微減にとどまっている。Big4監査法人は14年平均で32%高い報酬を顧客に請求しているのに対し、非Big4監査法人は同期間で6%減少している。手数料の増加は、監査分野におけるこれらの企業の力の直接的な結果である。他国で禁止されていることを考えれば、これらの企業がより厳しい規制に従うよう求められるのは時間の問題である