マーケットトレンド の 米国の造園 産業
ガーデニングへの関心の高まりが造園業界を後押し
米国では過去2年間、新規の若い庭師の増加が造園業界を牽引してきた。労働統計局によると、米国では芝生の手入れやガーデニング活動に対する1世帯当たりの平均支出が2017年の144.17米ドルから2020年には170.77米ドルへと大幅に増加した。健康志向が高まる中、屋内で果物や野菜を栽培する自給自足の必要性からガーデニング活動が増加し、若い世代の世帯による造園ニーズが求められている
全米ガーデニング協会の調査によると、2020年には米国世帯の35%が野菜や果物などの食品を栽培している。家庭菜園に取り組む世帯数は、ここ数年で3,600万世帯から4,200万世帯に増加している。最も増加しているのは、ミレニアル世代と子供のいる世帯である
ベテランの園芸家も園芸をするようになり、あらゆるタイプの園芸家がより多くの園芸活動に参加している。そのため、ミレニアル世代や若い消費者が、住宅の屋外造園活動の一環としてガーデニングのメンテナンスに傾倒しつつあることが、米国の造園業界を牽引すると予想される
COVID-19後の芝生管理サービスの需要拡大
芝生の手入れに対する需要が増加していることは、造園活動に対する1世帯当たりの平均支出が上昇していることからも明らかである。ガーデンメディアの2021年ガーデントレンドレポート(GTR)によると、COVID-19の大流行時には1,600万人のアメリカ人がガーデニングを始め、さらに多くの人が1日あたり最大2時間ガーデニングに時間を費やしていた。パンデミックの初期段階以降、アウトドア・リビングのトレンドも劇的に加速し、住宅所有者はパティオやデッキの改修、屋外キッチン、大きな窓、ガーデニングなどで屋外を室内に、室内を室外に取り込むことを選択した
住宅所有者にとって屋外の住環境は非常に重要であり、庭は自然観察や社交の場、美とレクリエーションの場など、複数の機能を果たしていると考えられている。GTR 2021の報告書によると、アメリカの住宅所有者の82%が、パンデミック前よりも屋外居住空間の更新に関心を持っている。コネチカット州のNEMO(自治体職員のための非点景教育)プログラムによって開発された「Rain Gardenアプリのようなソフトウェアは、庭の作り方を教え、庭に入れる適切な植物に関する23州の情報を備えている
住宅であれ商業施設であれ、ほとんどすべての建設プロジェクトで屋外の造園エリアが必要となる。建設プロジェクトが増え続ければ、造園や芝生の手入れサービスに対する需要も増える。したがって、全国的に絶えず成長している造園業界は、COVID-19の大流行後の屋外生活トレンドへのシフトと相まって、国内における芝生手入れサービスの需要が増え続けている