マーケットトレンド の アメリカ ブルーベリー 産業
拡大するブルーベリー生産が市場を支える
米国は主要農産物であるブルーベリーの主要生産国である。過去数十年にわたり、米国のブルーベリー生産は、国内需要の増加、良好な生育条件、農法の進歩により急増してきた。北米ブルーベリー協議会とFAOSTATによると、米国のブルーベリー生産量は2022年の317,150トンから2023年には322,595トンに増加する。この成長を支えているのは品種改良の取り組みである。2023年、コスタ・グループは、コスタの世界的に認められた品種改良プログラム(VIP)の一環として、エテルナ種から世界で最も重いブルーベリーを開発し、アメリカ大陸を含む地域でコスタ育種のブルーベリー品種をライセンス供与した
さらに、政府機関が支援する国内でのブルーベリー研究開発への投資の拡大も、この成長を支えている。例えば2022年には、全米のランドグラント大学が米国農務省の国立食品農業研究所(NIFA)からの資金援助を受けて、消費者の需要増に対応するための研究とアウトリーチ活動を通じてブルーベリー生産者を支援した
さらに、米国のブルーベリー農家は、収量を向上させ、気候変動や病害虫の問題に対処するために、先進的な農業技術を導入してきた。2023年、米国を拠点とするinnov8.agが主導するBerry Smart Projectは、先進技術によってブルーベリー生産者の生産性と収益性を高めることを目指している。このイニシアチブでは、センサー、自律走行車、機械学習アルゴリズムなどの精密農業ツールを採用し、土壌水分、温度、栄養レベルなどの環境要因に関するデータを収集・分析する。そのため、品種開発と研究、スマート農業の採用が相まって、市場の成長を助長する
スーパーフードとしてのブルーベリーの利用増加
米国では、ブルーベリーは抗酸化物質やファイトケミカルなどの栄養素を豊富に含むことから、スーパーフードとして称賛されている。健康上の利点の増加は、健康志向の消費者によるブルーベリーの定期的な消費を支えている。2023年のFood Production, Processing, and Nutrition誌に掲載された研究では、ブルーベリーに含まれるポリフェノールの一種であるアントシアニンが、コレステロールによる動脈硬化の予防に役立つことが強調されている。さらに、米国農務省によると、米国の生鮮果物の消費者物価指数は2022年の406.3から2023年には409.1に上昇した。このように消費者が生鮮食品に支払う価格が上昇していることが、ブルーベリーの市場価値を高めている
健康とウェルネス(HW)食品に対する消費者の意識が高まるにつれて、食生活も変化している。この傾向は、ブルーベリーをベースとする製品が人気を集めている加工食品市場の拡大にも表れている。例えば2024年には、世界の大手ベリー生産者でフレッシュ・フルーツ・スナックのリーダーであるナチュリペ・ファームズ(Naturipe Farms)が、ブルーベリーを特徴とするベリー・バディーズ(Berry Buddies)を発表した。同社の付加価値スナック・ラインに新たに加わったこの商品は、スナックへの革新的なアプローチを提供し、親子双方にアピールすることを目指している
さらに、素材産業における新鮮なブルーベリーの需要の高まりも市場の成長を後押ししている。2022年、Symriseは、幅広いDiana foodTM ブルーベリー原料と活性化合物を発表した。同社の天然成分ポートフォリオの他の製品と同様に、これらのブルーベリー製品はさまざまな特性と性能上の利点を誇っている。したがって、加工食品業界におけるブルーベリー需要の高まりと相まって、健康上の利点が高まっていることが、予測期間中の市場成長を後押しする要因となっている