マーケットトレンド の 英国の石油とガス 産業
川上セグメントが市場を支配する見込み
- イギリスは、石油・ガス産業におけるヨーロッパのリーダーのひとつになることができる。現在進行中の石油・ガスプロジェクトは約111件で、そのうち83件は2025年までに完了予定の上流契約である。これらのプロジェクトの大部分は、北海のオフショアが占めている。従って、英領北海地域は、同国における新たな掘削事業、特にガス生産のホットスポットになると予想される。
- 同国の天然ガス生産量は2020年に4,38,330GWhに達し、過去5年間で増加傾向が続いている。同国は2025年までに、主に英国大陸棚地域における新たなガス田の開発により、さらなる天然ガス生産計画を立てている。
- 今後予定されている重要なガス・プロジェクトのひとつが、スコットランドのシェトランド諸島から約120kmの場所に位置する油田、ローズバンク・プロジェクトである。同鉱区の操業者は、2億4,000万バレルの石油・ガスを埋蔵すると推定される同鉱区の生産について、3年間の延長を得た。2022年5月に予定されていた同プロジェクトへの最終投資については、まだ決定していない。この油田では、1日あたり約380万標準立方メートルのガスが生産されると予想されている。
- 同国で期待されているもうひとつのガス・プロジェクトは、北海中部のライセンスP1792、ブロック21/30fに位置するエブリン・ガス・プロジェクトである。現在開発段階にあり、オペレーターのテイルウィンド・エナジー社によってFPSOプラットフォームへの海底タイバックとして開発されている。同鉱区は2022年末までに生産を開始する予定だ。
- このような開発は、予測期間中、上流サービスと同国の石油・ガス市場を押し上げると予想される。
再生可能エネルギーの成長が市場を抑制する見通し
- 日本は、エネルギー部門における再生可能エネルギーの適用範囲を拡大する方向で前進している。発電、輸送用燃料、暖房、産業用エネルギー利用など、エネルギー製品のさまざまなエンドユーザー用途では、現在のシナリオにおいて、再生可能エネルギー源と化石燃料ベースのエネルギー源の間で厳しい競争が繰り広げられている。
- 発電ミックスに占める再生可能エネルギーの割合は、2020年には41%と記録されている。英国政府は、この割合を 2035 年までに 100%に引き上げることを約束した。電力部門と暖房用途のシェアを拡大するために、再生可能エネルギーに有利ないくつかの政策やプログラムが実施されている。
- 2021年、政府は英国の家庭で低炭素暖房を促進するためのスキームに資金を割り当てることを決定した。2022年から2023年、2024年から2025年にかけて資金を増強する予定である。さらに当局は、2025年以降に建設される住宅について、ガスボイラーを低炭素暖房システムに置き換えることを決定した。
- 2021年12月、ビジネス・産業・エネルギー戦略省は、政府の再生可能エネルギー支援スキームの過去最大規模のラウンドの申請を募集した。2億8500万ユーロ相当の資金が割り当てられ、国内の次世代グリーンエネルギー・プロジェクトの開発をターゲットとしている。
- こうした動きは、今後の石油・ガス産業の成長を妨げると予想される。