マーケットトレンド の アラブ首長国連邦パワー 産業
熱セグメントが市場を支配する見込み
- 天然ガス焚き火力発電は、今後の天然ガスベースの発電プロジェクトにより、予測期間中最も高いシェアを占めると予想される。
- アラブ首長国連邦の電力ミックスにおける天然ガスのシェアは、2020年には約95%であった。国際エネルギー機関(International Energy Agency)によると、2019年の総一次エネルギー供給における天然ガスのシェアは約85%であった。これは、同国が2020年時点で約209.7兆立方フィートという膨大な天然ガス埋蔵量を保有しているためである。
- 2021年12月、三菱電機はアラブ首長国連邦のフジャイラF3ガス火力発電所向けにM701JACガスタービン3基を出荷した。このプロジェクトは、コンバインドサイクル技術を搭載したUAE最大のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)設備とされる。この高効率ガスタービンを使用した発電所は、2023年までに稼働する予定だ。
- UAEのシャルジャにあるアル・レイヤ発電所は、同国における天然ガス焚き火力発電所の需要を明確に示すものだ。1.02GWの複合火力発電所(CCPP)は、Layyah発電所を拡張したもので、現在現地で建設段階にある。2022年7月の運転開始を予定している。
- こうした動きから、近い将来、天然ガス火力発電分野が大きなシェアを占めるようになると予測できる。
再生可能エネルギー分野の成長が市場を牽引する見通し
- アラブ首長国連邦(UAE)は、ここ数年で大きく前進し、再生可能エネルギー、特に太陽光発電の分野でこの地域の牽引役となっている。需要の増加に対応するため、同国はエネルギー安全保障の強化、エネルギー源の多様化、電源構成に占める太陽光発電の割合の増加という挑戦的なミッションに着手している。
- UAEは、世界でも有数の太陽光資源を保有していることを証明する一方、経済政策や規制政策を支援することで、クリーン・エネルギー・プログラムの卓越性を高めてきた。その一因は、手ごろな価格の融資を受けられることだ。
- 従来のプロジェクト・ファイナンスに加え、この分野では、長期的に必要な投資を促進・提供するための金融革新が進んでいる。例えば、屋上ソーラーパネルの設置を促進することを目的としたプログラムであるシャムス・ドバイ・イニシアチブを支援する1,000億AEDのドバイ・グリーン・ファンドがある。
- さらに、「UAEエネルギー戦略2050は、2050年までに国のエネルギーミックス全体におけるクリーンエネルギーの割合を50%まで高めることを目標としており、その結果、エネルギーコスト全体で約1,900億米ドルの節約につながる。この分野における世界的な取り組みとして、また気候変動緩和へのコミットメントとして、UAEは2030年までに開発途上国が1,000GWの太陽光発電を利用できるようにすることを目的とした国際ソーラーアライアンスへの加盟も発表した。
- このような目標や政策が打ち出されたことで、UAEの再生可能エネルギー部門は予測期間中に大きな成長を遂げることが期待される。