マーケットトレンド の 英国の食品添加物 産業
コンビニエンス・フードの需要増
すぐに食べられる食品、すぐに飲める飲料、スナック菓子、冷凍食品など、便利で加工された食品に対する需要の増加は、食品添加物市場を牽引する重要な要因のひとつである。都市化の進展、中流階級の人口増加、働く女性の増加、可処分所得の増加に伴い、世界の先進地域と発展途上地域では加工食品や包装食品の需要が高まっており、それによって食品添加物の市場ニーズが高まっている。乳化剤、風味増強剤、増粘剤、酵素などの食品添加物は、乳製品やベーカリー製品などの食品に使用される。市場プレーヤーは、新たな工場施設の立ち上げにより、製品リーチを拡大している。例えば、日本の酵素メーカーである天野エンザイムズは2022年12月、英国のオックスフォードシャーに新工場を開設した
砂糖代替品が最大のシェアを占める
同国の消費者は、健康的な食品摂取の利点を認識するようになり、オーガニック、クリーンラベル、天然ベースの食品の摂取を選ぶようになっている。こうした要因から、同地域では食品甘味料のような天然素材の需要が増加している。消費者は、消費する加工製品の栄養成分を意識している。ステビア、キシリトール、その他の天然甘味料は、オーガニックで自然な原料から作られた植物性糖類である。カロリーは増えないが、味は普通の砂糖と同じである。消費者は、肥満、糖尿病、高血圧など、さまざまな合成食品添加物の摂取に伴う健康への悪影響について、認識を深めている。そのため政府は、人工甘味料のような多くの合成添加物を食品や飲料に使用することを禁止している。2022年7月、Sweegen Inc.は液体ステビアベースの甘味料ライン、Bestevia LQを発売した。同社は、これらの甘味料は菓子製品、炭酸飲料、デザートのトッピング、濃縮シロップなどの製品に使用できるとしている