マーケットトレンド の 英国の自動車用炭素繊維複合材 産業
燃費向上のために炭素繊維の自動車への採用が進む
自動車が誕生して1世紀以上が経つが、その素材はほとんど変わっていない。アルミニウムやマグネシウム合金からカーボンファイバーに至るまで、先進素材が量産車に採用されるようになったのはここ数十年のことだ。カーボンファイバーのような先進素材は、性能と安全性を維持しながら、現代の自動車の燃費を向上させるために不可欠なものだ。軽い物体を加速させるのに必要なエネルギーは重い物体よりも少ないため、軽量素材は自動車の効率と燃費を向上させる大きな可能性を秘めている。車両重量を10%減らすと、燃費は6~8%向上する
BMWはi3モデルにカーボンファイバーを使用することで、大幅な軽量化を実現している。BMWはi3を年間約3万1000台販売している。BMWと炭素繊維の生産パートナーであるSGLグループは、i3とi8に使用されるCFRPのサプライチェーンを確立するために10億ドル近くを費やした。アウディもまた、A8セダンのスペースフレーム後部壁の製造に炭素繊維を使用している。供給側でも、炭素繊維メーカーは生産能力を増強しており、自動車への炭素繊維の採用はさらに進むだろう
英国市場は健全な成長率が見込まれる
欧州地域で厳しい排ガス規制と燃費基準が制定されたことで、BMW、フォルクスワーゲン、アウディなど英国の自動車メーカーは、車の製造に炭素繊維複合材を使い始めた
各社は、車両の総重量を大幅に軽減できる炭素繊維製の新しい部品を発明しようとしている。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の用途は、特にフェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェといったハイパーカー・メーカーの自動車車体の製造に広く採用されている
企業が自動車部品の製造のために新たなパートナーシップを結び、炭素繊維の新技術を発表しているため、炭素繊維の需要は予測期間中に増加すると予想され、ひいては欧州市場における自動車用炭素繊維の成長を促進する一助となっている。世界最大級の自動車部品メーカーであるFaureciaは、炭素繊維と複合材部品の大量生産で自動車サイクルタイムに到達できる製造プロセスを開発するため、ドイツのアウグスブルク・イノベーションパークに拠点を置く炭素複合材協会の主要クラスターMAI Carbonに参加すると発表した