マーケットトレンド の 潜水艦 産業
原子力潜水艦(SSN)セグメントは予測期間中に最も高いCAGRで成長すると予測される
- 原子力潜水艦(SSN)セグメントは、予測期間中に最も高いCAGRで成長すると予測されている。原子力潜水艦は、原子炉を動力源とする潜水艦であるが、必ずしも核武装しているわけではない。原子力潜水艦は、「従来型(通常はディーゼル電気式)潜水艦に比べて性能面でかなりの利点がある。原子力推進は空気に完全に依存しないため、従来の潜水艦のように頻繁に浮上する必要性から解放される。
- 原子炉の発電量が大きいため、原子力潜水艦は高速で長時間航行することができ、燃料補給の間隔が長いため航続距離はほぼ無制限である。しかし、原子力技術は高コストであるため、このような船舶を取得できる国は世界でも限られている。
- とはいえ、原子力潜水艦の取得計画は現在いくつか進行中である。例えば、2023年3月、米国、オーストラリア、英国は、オーストラリアが原子力潜水艦を取得できる枠組みを発表した。この契約に基づき、オーストラリアは2030年代初頭までに米国のバージニア級原子力潜水艦3隻を調達することになっており、必要に応じて2隻を追加購入するオプションもある。
- このように、新型の最新型原子力潜水艦の開発・取得に向けた各国間のパートナーシップの増加は、防衛力近代化に向けた各国の投資の増加と相まって、明るい見通しとなり、予測期間中の市場の成長につながると思われる。
北米は予測期間中に目覚ましい成長を遂げるだろう
- 北米は予測期間中に最も高い成長を示すと予測されている。国防能力の向上と軍事予算の増加に加え、新鋭潜水艦の開発に向けて研究開発に投資している様々な主要企業の存在が、同地域の市場成長につながる。2023年3月現在、米国のFY23大統領予算要求は8,420億米ドルであった。また、米国防総省(DoD)によると、軍事予算は22年度の7280億米ドルから23年度は7970億米ドルに増加した。
- 現在、米国の潜水艦部隊は、オハイオ、ロサンゼルス、シーウルフ、バージニアの4つの運用クラスで構成されており、これらはすべて原子力である。米国はまた、新型潜水艦の開発という点でも成長を目の当たりにしている。米海軍は現在、近代化を推進しており、バージニア級攻撃型潜水艦を2043年まで毎年2~3隻追加する計画だ。さらに、米海軍は2026年度までにバージニア級を合計36隻調達する計画もある。
- 今後、潜水艦にはさまざまな新技術が登場する。潜水艦の運用ライフサイクルにおける進歩や、新しい水中探知能力は、メーカーにとって重点分野である。例えば、2023年1月、米海軍は、世界で最も殺傷力が高く、ハイテクで先進的なSSBNを設計するという目標を達成するため、新型コロンビア級SSBNの開発と建造を加速すると発表した。これらの潜水艦は2031年までに就役し、2080年代以降も活躍する予定である。
- 新型潜水艦は42年の耐用年数を想定して設計されているため、「艦の寿命まで使用できる原子炉コアが設計され、中途給油の必要性は排除される。さらに、このような開発により、米海軍はわずか12隻のSSBNを建造するだけで、現在の弾道ミサイル搭載オハイオ級潜水艦14隻の艦隊と同等の海上プレゼンス/作戦稼働率を確保できるようになる。
- 一方、低周波数のアクティブソナーや、近距離で潜水艦の航跡を探知する音響法を利用しない新しい探知技術の出現が研究開発中であり、将来のクラスの潜水艦に搭載されることが期待されている。