マーケットトレンド の スペインの農薬 産業
耕作面積の増加
スペインは耕地面積の広い重要な農業国で、ヨーロッパで2番目に農薬を消費する国である。同国の農家は、農作物を保護し、生産量を増やすために農薬製品に依存している。同国は、コメ、小麦、トウモロコシ、大麦、オリーブ油、ジャガイモ、トマト、タマネギ、キャベツ、ピーマン、リンゴ、バナナ、ナシ、モモ、その他の果実作物など、さまざまな作物の主要生産国であり、輸出国でもある。耕作面積は年々増加しており、スペインの作物保護化学品市場を牽引すると期待されている

殺菌剤部門が市場を独占
スペインの殺菌剤市場を牽引しているのは、国内の主要作物に対する真菌攻撃の増加である。大麦はスペインで最も栽培されている作物である。スペインで3番目に多く栽培されている穀物である大麦の作付面積の約92%(すなわち約350万トン)は、家畜飼料に充てられている
しかし、大麦のやけどの一般的な病原菌であるRhynchosporium communeは、葉面病であり、感受性の高い品種では収量を最大40%減少させ、穀物の品質に悪影響を及ぼす。同様に、Puccinia triticinaとP. striiformis f. sp. triticiは小麦の葉さび病と縞さび病の原因菌である。同国南西部で栽培されているパン用小麦の大半の市販品種は、この病原菌に対して中程度から高い感受性を持っている
スペインはオリーブとオリーブオイルの主要生産国である。240万ヘクタールの土地をこの貴重な作物に捧げている。しかし、オリーブの果実の菌類病である炭疽病は非常に毒性が強く、年間平均2.6%の収穫損失をもたらす。このため、油糧作物では殺菌剤の需要が高まっている
