マーケットトレンド の 東南アジアの石油とガス 産業
川下部門が市場を支配する
- 東南アジアの精製部門は、化学、石油化学、運輸などの部門からの精製製品に対する需要の増加により、急速に拡大している。2030年までに、この地域の総人口はおよそ13%増加すると予想されている。
- BP Statistical Review of World Energy 2022によると、2021年時点でシンガポールの精製能力は日量1,461千バレルと最も大きく、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、その他の東南アジア諸国がこれに続く。
- 石油製品の需要が高まり、各国が自給自足を目指していることから、この地域の下流インフラは今後数年間で大幅に拡大すると予想される。インドネシア、マレーシア、ブルネイ、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピンなどの国々が、既存の製油所の拡張や新設計画を策定している。
- マレーシアは過去20年間、精製活動に多額の投資を行っており、長年シンガポールの製油所に依存してきた石油製品の国内需要の大半を賄えるようになった。さらに、マレーシアではケルテ、ゲベン、パシル・グダン・タンジュン・ランサットに3つの主要石油化学コンビナート(IPC)が建設された。
- さらに、ブルネイやベトナムのようなエコノミーは、今後数年間で、下流部門でいくつかのEPC契約を受注する勢いだ。
- 例えば、ベトナム石油ガスグループの国営子会社であるペトロベトナムは、2022年8月、ベトナム南部のブンタウ省バリアにおいて、原油処理能力24~26トン/年の製油所を建設する計画を明らかにした。建設プロセスは2段階に分けられる。第1段階は135億米ドル、第2段階は50億米ドルが見込まれている。石油化学・精製プラントの第一段階では、年間12~13トンの原油を処理する。プラントの年間生産量は、石油が7~9MT、石油化学製品が2~3MTとなる。第2段階では、処理能力を倍増させるための追加投資を行い、年間3~5トンの石油と5.5~7.5トンの石油化学製品を生産する予定である。