マーケットトレンド の 韓国の航空宇宙・防衛 産業
国防費の増加が業界の成長を促進すると予想される
韓国は、北朝鮮の核兵器やその他の大量破壊兵器による安全保障上の脅威が高まる中、極端な安全保障環境に直面している。政府は、韓国軍の戦時作戦統制権(OPCON)を米国から奪還する能力を確保し、国防改革の目標を達成することを目指している。2018年に発表された「国防改革2.0は、地域のダイナミックな安全保障環境に対応するために必要な軍事力を強化することを目的としている。安全保障上の脅威への全方位的な対応、最新技術の導入、人権問題に取り組む軍事文化の発展という3つの柱を中核としている。この計画は5年間で実施される予定である。同国の国防改革は、軍隊の防衛装備の近代化を目指している。この近代化努力に対応するため、政府は2015年から2020年にかけて国防予算を毎年7%ずつ増加させることを目指した。韓国の国防予算は過去10年半にわたって増加の一途をたどっており、2005年の176億3,000万米ドルから2011年には266億1,000万米ドル、2020年には425億米ドルに増加している。世界のいくつかの国がGDPの2%以上を国防費に費やすのに苦労している中、韓国のGDP国防費はこの10年間で目覚ましく伸びており、2020年には2.85%に達する。2021年、韓国の国防予算は前年比5.4%増となる。さらに2021年12月、韓国の国防省(MND)は2022年の国防予算を463億2,000万米ドルと発表した。新たな国防予算は2021年比で3.4%の増加である。同国の国防費の伸びは、軍用車両、装備品、兵器の調達・開発計画を推進し、予測期間中の同国の国防市場を押し上げると予想される