マーケットトレンド の 南ヨーロッパのバッテリー 産業
リチウムイオン電池が市場を支配する見込み
- リチウムイオンバッテリーは、通常デジタル機器や自動車に使用される充電式バッテリーである。この電池は、太陽光や風力などの再生可能エネルギー資源からのエネルギーも貯蔵する。
- 欧州の電気自動車用リチウムイオン電池の需要は、2030年には325ギガワット時に達すると予想されている。これは、電気自動車用リチウムイオン電池の世界需要のほぼ大半に相当する。内燃機関の段階的廃止に取り組む多くの欧州諸国は、この時期に電池需要を大幅に増加させるだろう。
- イタリアやギリシャなど多くの国が、2030年末までにそれぞれ50ギガワット(GW)、5ギガワット(GW)の太陽光発電の導入を目標としている。再生可能エネルギーによって生産された余剰エネルギーをバッテリーに蓄え、後で使用することができるため、このような設置は南欧のバッテリー市場を牽引すると期待されている。
- ポルトガルはすでに欧州最大のリチウム生産国だが、同国のリチウムのほとんどは陶磁器やガラス製品の製造に使用されている。例えば、2021年12月、スウェーデンの電池セルメーカーであるノースボルトは、ポルトガルのエネルギー企業ガルップと50:50の合弁会社を設立すると発表した。合弁会社オーロラの指揮の下、リチウム転換工場がポルトガルに建設される予定だ。同プラントの年間生産能力は最大35,000トンのバッテリーグレード水酸化リチウムで、2026年に商業運転を開始する予定である。
- 以上のことから、南欧電池市場は予測期間中、リチウムイオン部門が優位を占めると予想される。