マーケットトレンド の 南米の種子 産業
ハイブリッドが最大の育種技術
- 2022年度には、南米の種子市場ではハイブリッド種子のシェアが大きくなった。生産者は高い利益を得て高い収量を得るためにハイブリッド種子を好むからである。
- 南米では、トウモロコシ、ダイズ、アルファルファなどの高収益作物がISAAAによって南米での栽培が承認されているため、遺伝子組み換えハイブリッド種子のシェアが大きい。
- トウモロコシは高収益作物であり、生産者は栄養価の高い高収量と、さまざまな土壌条件にすばやく適応する種子を求めているため、ハイブリッド種子の中で最大のセグメントとなっている。
- 小麦は、ロシアとウクライナの戦争によりヨーロッパやアフリカの他の国々に輸出されているため、2022年から2028年にかけて南米のハイブリッド種子市場で最も急成長するサブセグメントとなる可能性が高い。また、ヨーロッパ諸国はピザのベースを作るために小麦を使用している。そのため、小麦種子の需要はより速い速度で伸びると予想される。
- アルファルファは、南米で遺伝子組換え種子と非遺伝子組換え種子の両方の栽培が承認されているため、2022年から2028年にかけて最も急成長する飼料分野となりそうである。高タンパク質で家畜が消化しやすいため、飼料として利用されている。除草剤耐性があり、雑草から保護することができる。
- 南米では、開放受粉品種とハイブリッド派生品種を使用して栽培される主要作物は連作作物であり、2021年のOPV市場全体の88.9%を占める。また、収穫量が多く、短期的に利益を生むハイブリッド品種も野菜に使用されている。
ブラジルが最大の国
- 2021年、南米は新興の農業市場であるため、世界の種子市場における市場シェアは約9.5%になると予想される。南米では改良種子品種と新技術が利用可能である。
- 2022年の世界保護栽培における南米のシェアは2.1%になると予想されるが、これは中規模・小規模農家が高額な初期投資を行えないことと、南米諸国では新しい温室構造の設置に対する政府の支援がないためである。そのため、予測期間中に保護栽培セグメントの成長が抑制される可能性がある。
- 南米では2022年から2028年にかけてハイブリッド種子の採用率が開放受粉種子品種を上回ると予想されるが、その理由は収量が10%~15%増加し、品質が良く、投資に対する品質収益が向上するからである。したがって、ハイブリッド種子は2022年から2028年にかけて38.7%増加すると予想される。
- ブラジルは、改良種子が入手可能であること、同国で栽培されるトウモロコシやトマトなどの収益性の高い作物、作物の生産量を増加させる新技術があることから、南米の主要国となっている。そのため、南米では予測期間中に市場シェアが上昇し、2022年の49.6%から2028年には51.7%になると予測されている。
- 2021年、アルゼンチンの世界種子市場における市場シェアは約2.6%であった。アルゼンチンは農業で台頭してきており、良質な作物を栽培したいという農家の需要を満たすために種子の需要が増加する。
- そのため、収量の増加、新技術、低金利で融資を行う政府の取り組みといった前述の要因が、予測期間中に南米の種子市場を増強すると予想される。