の市場トレンド 東南アジアの種子市場
東南アジアでは、家畜・飼料産業からの需要に牽引され、穀物・油糧種子の需要が増加している。
- 東南アジアでは、食料、飼料、工業原料の需要増加により、連作作物が主要な作物として栽培されている。2022年には、この地域の作物栽培総面積の89.3%を占めている。2019年の栽培面積は悪天候のため減少を示し、不規則な降雨パターンが減少の要因となった。しかし、2020年から2022年にかけては、需要増に対応するため0.3%増加した。
- この地域の穀物作物は、主要な栽培面積を占めている。2022年の穀物栽培面積は5,590万ヘクタールで、主食としての国内需要の高さからコメが最大の栽培面積を占めている。
- ベトナムでは、2022年の米の総収穫面積は730万ヘクタールで、2021年の総生産量は4,280万トンと報告されている。USDAによると、人口増加により、国内需要を満たすために毎年15~20万トンの米が追加で必要となる。このため、同国の米の播種面積は増加すると予想される。
- 2022年の油糧種子の作付面積は、2021年から0.7%増加して1,070万ヘクタールとなった。作付面積の増加は、家畜飼料分野からの需要の増加と国内市場での適正価格によるものである。油糧種子の中では大豆が主要作物で、2022年には550.9千ヘクタールを占める。
- 豆類はこの地域で栽培されている主要作物のひとつで、2022年には450万ヘクタールで栽培されている。豆類の栽培は、タンパク質が豊富な食品に対する意識の高まりによる消費需要の増加により増加すると予想される。
キャベツ、カボチャ、カボチャは、東南アジアでは重要な野菜作物であり、消費者の高い需要に応えるため、耐病性で品質の高い属性品種の需要が高まっている。
- キャベツは東南アジアで最も重要な野菜作物のひとつである。 この地域で栽培されているキャベツの種類には、ベトナムキャベツ、中国キャベツ、バクチョイなどがあり、耐病性(アルテルナリア葉枯病、萎凋病、腐敗病)、頭の大きさ、葉の色、頭の形などの品質形質、病害虫抵抗性、幅広い適応性などの形質が広く採用されている。Limagrain社やRijk Zwaan社などの企業は、これらの形質を持つキャベツの種子を提供し、悪天候でも高品質で栽培できるようにしている。
- カボチャとカボチャは、この地域で広く栽培されている主要なウリ科作物である。形、大きさ、色の良さ、貯蔵期間の長さ、耐病性、特にジェミニン・ウイルスに対する耐性、気候や土壌の違いに対する適応性の広さといった品質特性が人気である。今後、各社がベト病耐性やウイルス抵抗性、均一性、色、風味を備えた新品種を開発するにつれ、耐病性や品質属性形質がより広く利用できるようになることが期待される。さらに、East-West Seed社は、18880 F1やPujitha F1のような、ジェミニンやポティウィルスに対する抵抗性を持つ品種を作付している。フィリピンでは、エンザ・ザーデンが2021年にビタリス・オーガニック・シードとの提携により新品種を発売した。
- ウイルスに対する耐性、品質特性、高収量を備えた新しい種子品種の導入などの要因が、予測期間中の野菜種子市場の成長に役立つと予想される。
本レポートで取り上げているその他の主要業界動向
- 東南アジアでは根菜類と球根類が野菜栽培の主流である。
- 東南アジアの種子栽培はコメとトウモロコシが主流、耐病性と適応性の高い品種への需要が高まる
- 伝統的品種改良は、連作作物における開放受粉品種への需要でこの地域で大きなシェアを占めており、ハイブリッド品種改良は高収量需要の野菜で高いシェアを占めている。
- キャベツ、カボチャ、カボチャは、東南アジアでは重要な野菜作物であり、消費者の高い需要に応えるため、耐病性で品質の高い属性品種の需要が高まっている。
- 東南アジアでは、気候条件によるトマトや唐辛子の栽培の難しさに直面しており、耐病性や品質の高い形質への需要が高まっている。