マーケットトレンド の サウジアラビア通信 産業
サウジ通信セクターの自由化の成功とMVNOの立ち上げが市場を牽引
- 世界の電気通信事業は、ここ数年の間に導入された新しい技術や収入源によって、大変な激変を遂げている。2003年の自由化直後から、サウジアラビア王国(KSA)の通信市場は成長を始めた。それ以来、同国は外資と政府の後押しを受け、競争の激しい通信セクターを発展させてきた。
- 現在、統一ライセンスを持つ3社、すなわちMobile Telecommunication Company Saudi Arabia、Etihad Etisalat Company、Saudi Telecom Company (STC)が市場の大半を支配している。その他のインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)、モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーター(MVNO)、固定回線サービス・プロバイダーも市場に存在している。最先端のインフラと技術に対応した透明で競争力のある市場の構築は、政府によって実現された部分が大きい。
- さらに、5G の導入でサウジアラビアは先手を打ち、世界的に見ても数少ない早期導入国の一つとなっている。政府の強力な支援により、サウジアラビアは近い将来、この地域の市場リーダーであり続けるだろう。サービスの多様化に関して、5Gは通信会社に多大な発展の可能性を提供する。先進国市場の初期パターンでは、ARPUの増加が指摘されている。こうした可能性を活用するためには、通信事業者は5Gのカバレッジ拡大と顧客基盤の新規格へのスムーズな移行に多額の投資を行う必要がある。
- この分野のインフラの成長と競争は、通信情報技術委員会(CITC)と通信情報技術省(MCIT)によって常にサポートされてきた。連結免許の付与、通話終了料金の引き下げ、事業者のインフラ投資と引き換えにロイヤリティを清算するなどの決定は、規制当局の方針を反映したものである。
モバイル部門が大きなシェアを占める
- サウジアラビアの通信市場におけるモバイル分野は、サウジ・ビジョン2030に沿ったデジタル経済への機運と相まって、インターネットやスマートフォンの普及が進んでいることから、今後数年間で大きな成長が見込まれている。
- さらに、通信・情報技術委員会(CITC)とMNOの継続的な努力により、5Gサービスが広く展開された結果、通話品質とインターネット速度が向上し、モバイルデータサービスとモバイル音声サービスへの高い需要が生まれた。
- モバイルの普及率の伸びとモバイル音声サービスに対する需要の高まりが相まって、予測期間中の市場の牽引役となることが予想される。例えば、GSMA Intelligenceのデータによると、サウジアラビアではモバイル利用が普及しており、2022年の開始時点でモバイル接続数は4,100万を超えている。
- COVID-19の流行は、オンラインゲーム、デジタル取引、ショッピング、ダウンロードの増加に起因するモバイルデータトラフィックの成長を刺激している。さらに、政府は現金以外の取引を奨励し、巨大な電子商取引市場の発展に貢献している。こうした要因は、モバイル分野の成長にプラスの影響を与えた。