マーケットトレンド の 鮭 産業
養殖サーモンは最大の成長セグメント
養殖サケは、増加する世界人口の需要を満たすため、持続可能で環境に優しい動物性タンパク源として推進されている。2022年には、280万トンを超える養殖サケ科魚類が生産された。これに対しFAOは、天然サケ科魚類の漁獲量は約64万トンに過ぎないと推定している
チリの養殖セクターの業績は、ここ数年で徐々に向上している。その結果、サケの養殖、特にアトランティックサーモンの養殖が増加し、世界のサケ生産量の74%近くを占めるに至っている。チリ中央銀行によれば、養殖サケは銅の採掘に次いでチリで2番目に大きな輸出部門であり、2023年には65億米ドルの総収入を生み出す。生産増加の大部分はチリで観察され、2019年から2022年にかけて約11%で、新たな規制体制が成果を生み出している。同様に、世界最大の生産国であるノルウェーでは、冬の寒さと魚の健康問題により、サケの収穫量は5%増と控えめであった
さらに、供給増は世界的なサーモン需要を満たすことができない。サケの需要が世界的に強化され続けるなか、伝統的な開放式網囲い養殖に対する地理的・規制的制約が重なり、生産者が歩調を合わせるには限界がある。しかし、中国市場におけるサケ生産への投資の増加は、陸上・沖合ベースの養殖や遺伝子組み換えサケなどの技術的アプローチと相まって、生産をさらにペースアップさせる潜在的な機会の一部となっている
その上、サケ養殖部門は、毎年多額の経済的損失をもたらしている死滅事故への対応という課題に直面している。しかし、こうした損失を減らすことに注力するよりも、業界は生産量を増やすことを選択し、その結果、収益性が向上している。例えば、世界最大のサケ養殖企業であるノルウェーのMowi ASAは、記録的な高水準の生産とともに、2023年には10億米ドルを超える空前の利益を達成した