マーケットトレンド の ロシア連邦の力 産業
火力発電は主要なエネルギー源
- 火力発電には、石炭や石油などの化石燃料から風力や太陽光などの再生可能エネルギーまで、さまざまなエネルギー源が使われている。発電のためのエネルギーミックスは、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料が主流で、この3つが世界のエネルギーミックスの75%以上を占めている。
- 発電ミックスは天然ガスに大きく偏っており、安価な国内燃料とロシアの膨大な埋蔵量が大きく貢献している。水力、太陽光、石油といった他の従来型発電源の追加には制約があるため、ミックスに占める天然ガスの割合は年々増加している。
- さらに、ロシアの発電量は6.9%増加した。2020年の発電量は1,085.4テラワット時であったのに対し、2021年の発電量は1,157.1テラワット時となった。
- ロシア連邦のダイナミックな電力市場は、石油のシェア等級を下げようとしている。それでも、膨大な埋蔵量を誇る天然ガスと石油は、予測期間中も主要なエネルギー源であり続けるだろう。
- 2022年11月、タガンログ・ボイラー製造所「クラスニー・コテルシチク(TKZ)は、ニジネカムスクCHPPに対流式過熱器を供給する計画であることを発表した。同プラントのボイラー設備近代化のための長期総合プログラムは、タタールスタンのタガンログ企業の公式ディーラーであるTKZ-サービス社によって実施されている。
- 上記の要因により、火力発電は重要なエネルギー源となる可能性が高い。
自然エネルギーと原子力の利用が拡大し、大きな成長が見込まれる
- ロシアは、新しい原子炉技術の開発など、原子力の利用拡大に向けて大きく前進している。同国では38基の原子炉が稼働しており、原子力の利用を増やす計画を急速に進めている。
- ロシアは、2024年までに自然エネルギーによる総電力量の4.5%を占めることを目標に掲げ、自然エネルギーへのシフトを計画している。ロシアのエネルギー戦略では、2030年までに25GWの再生可能エネルギーを導入する計画だった。また、2022年1月、ロシア政府は、2025年から2034年までの自然エネルギーに関する新たな入札制度を承認した。
- 2021年11月、ロシアの太陽光発電メーカーであるヘベル社は、西シベリアにある30MWのルスコ・ポリャンスカヤ太陽光発電所の建設を完了した。同太陽光発電所の発電量は35.5GWhで、農村部の住宅3,000戸分の電力に相当すると地元政府は見込んでいる。発電所の建設費は約4000万米ドルである。
- さらに、ロシアはエネルギー需要を炭化水素埋蔵量に大きく依存しており、これは再生可能エネルギーの開発にかかる膨大なコストとは別に、さらなる要因となっている。2030年のエネルギー戦略実施に向けて、大胆な措置と政策が講じられることが期待されている。
- ロシアの原子力エネルギー消費量は2.9%増加した。2021年の原子力エネルギー消費量は、2020年の1.96エクサジュールに比べ、2.01エクサジュールとなった。
- 以上の点から、再生可能エネルギーと原子力の利用は予測期間中に増加すると思われる。