マーケットトレンド の ロボットソフトウェア 産業
産業用ロボットが主要用途に
- インダストリー4.0と相まってスマートファクトリー構想に不可欠なモノのインターネット(IIoT)のような技術の出現により、産業用ロボットの導入は製造業全体で増加している。産業用ロボットは一般的に、危険な作業や反復作業を高い精度で行うために、人間の労働者の代わりに使用される。IFRによると、2024年までにアジア/オーストラリアにおける産業用ロボットの設置台数は37万台に達すると予測されている。
- ロボットを効率的に稼働させるためには、メーカーのニーズに合わせてロボットを操作するためのロボット・ソフトウェアが不可欠である。このソフトウェアは人間の能力の延長である。それは、世代や技術の飛躍ごとに鋭くなる人間のビジョンを反映している。産業分野でのロボット工学の巨大な成長に伴い、ロボット・ソフトウェアのニーズも大幅に増加している。
- さらに、人工知能と機械学習機能が産業用ロボット技術に急速に浸透している。ロボット工学とAI技術の融合から得られる最も大きなメリットの1つは、予知保全による稼働時間と生産性の向上である。
- 産業用ロボット技術にAIが統合されることで、ロボットは自らの精度と性能を監視することができ、メンテナンスが必要なときにシグナルを提供することで、高価なダウンタイムを回避することができる。
- さらに、アルファベットは2023年5月、産業用ロボット事業部門Intrinsicの最初の製品であるFlowstateを発表した。Flowstateは、企業がロボットのワークフローを作成できる直感的なウェブベースの開発者環境で、ユーザーがロボットシステムの構築を開始するための基盤と、設計をテストするためのシミュレーション機能を提供する。特にこのソフトウェアは、専門家でなくてもロボットシステムを理解し、活用できるようにすることを目的としている。
アジア太平洋地域が著しい成長を遂げる見込み
- アジア太平洋地域は、予測期間中に大きな成長機会を示すと予想されている。この地域のロボットソフトウェア市場の成長に貢献している主な経済圏は、中国、日本、シンガポール、韓国、インドである。この地域の国々は、産業全般にわたってロボット工学の採用を増やしている。
- 中国市場は、第13次5ヵ年計画でAIとロボット工学への重点的な取り組みを明確に打ち出していることから、AIとロボット工学への支出が増加すると予想される。中国の国家発展改革委員会は、2030年までに同国が超大国になるために先端技術の採用を加速させることが期待されるAI3カ年実施プログラムを発表した。
- 化学プラントなどの危険な作業を行う組織における自動化と安全性に対する需要の高まりが、市場の成長を促進している。さらに、インダストリー4.0と相まってスマートファクトリー構想に不可欠なモノの産業インターネット(IIoT)のような最先端技術の採用が増加しており、産業用ロボットが市場の成長を牽引している。
- 加えて、ロボットの作業セルのコストは数年前から毎年5-10%低下しており、ロボットの速度と処理能力は大幅に向上している。