マーケットトレンド の 米の種 産業
開放受粉品種とハイブリッド派生品種は最大の育種技術である
- 2021年、コメ種子市場全体は世界の連作作物種子市場の14.8%を占めた。コメはほぼすべての国で消費される主食であり、年間を通じて消費需要が高い。
- 世界全体では、ハイブリッド種子が2021年のコメ種子市場全体の30.4%を占めた。OPVは、コメの穀物品質が劣り、ハイブリッドには高い投入量が必要なため、2021年のコメ種子市場全体の69.6%を占めた。
- アジア太平洋地域はコメ生産量において世界最大の地域であり、2021年の世界のコメ種子市場全体の72.9%を占めた。消費需要と食品安全への関心の高まりがこの地域の市場を牽引している。
- 中国は2021年に最大のハイブリッド米種子市場となり、世界のハイブリッド米種子市場の52.7%を占めた。1970年代以降の食の安全に対する関心の高まりとハイブリッドの開発が、アジア太平洋のすべての発展途上国に食の安全をもたらした。
- 除草剤耐性イネ種子は、金額ベースで世界のトランスジェニック・ハイブリッド種子市場の39.9%の市場シェアを占めている。米国が最も多くの除草剤耐性イネ種子を承認したのは、政府がより多くの遺伝子組み換え作物の導入を奨励していたからである。
- 中国はアジア太平洋地域で唯一、耐虫性のトランスジェニック・ハイブリッド米を生産しており、中国のトランスジェニック・ハイブリッド米種子市場の市場金額の75.0%を占めている。
- 生産性への関心の高まりと、消費と自給自足への需要が米種子市場を牽引し、2022年から2028年までの予測期間中にCAGR 4.2%を記録すると予想される。
アジア太平洋地域が最大
- アジア太平洋地域が大きなシェアを占めているのは、同地域の耕作面積が最大であり、世界の米耕作面積の約86%を占めているからである。米はアジア太平洋地域、特に人口の多い国々では重要な主食である。消費需要を満たすため、同地域では高収量品種の使用による増産が進んでおり、市場の成長を牽引している。
- 南米では、開放受粉品種(64kg/ha)に比べてハイブリッド種子(約48kg/ha)の播種が少なくて済むため、開放受粉に比べてハイブリッド分野が大きなシェアを占めている。したがって、高い収益性や高い収量といったハイブリッド種子に関連する利点が、予測期間中、同地域のハイブリッド米種子市場を牽引すると思われる。
- 中東では、政府の規制が厳しく、種子の交換率が低いため、開放受粉品種の使用率が高く、稲作全体の96.4%を占めている。
- アフリカでは、ハイブリッド品種やOPV品種といった改良品種の導入が進んだ結果、収量が増加した。ケニアでは、収量が2019年の19,353 hg/haから2020年には22,061 hg/haに増加し、14%増加した。
- このように、主要栽培地域における栽培面積の増加、市販種子の使用量の増加、人口増加による消費量の増加が、予測期間中の市場成長を牽引すると予想される。