マーケットトレンド の レゾルシノール 産業
タイヤの需要急増
- 主にタイヤからのゴム需要の高まりが市場需要を押し上げている。タイヤとコンベヤセグメントが30%以上のシェアで市場を支配している。
- レゾルシンはタイヤ用接着樹脂の生産に使用され、調査した市場の需要は世界中のタイヤ生産に直接依存している。
- 2019年の世界のタイヤ生産量はほぼ2億5,500万本に達し、これは2018年から5%の増加である(2017年からは6%の成長を記録)。予測期間中のCAGRは2〜3%で成長すると予測されている。
- このポジティブなシナリオは、世界的な交換用タイヤ市場の成長の勢いが大きく後押ししている。
- また、米国は、Goodyear Tire Rubber Co.、Cooper Tire Rubber Co.、Michelin、Bridgestone Americas Tire Operations(これら4社で市場シェアの70%以上を占めている)といった世界最大級のタイヤメーカーの本拠地を提供することで、世界最大かつ最先端のタイヤ市場の1つとなっている。
- 国内タイヤ製造業界の変化(タイヤのサイズと構造)は、カーボンブラック製造業者に新たな圧力をかけており、トレッドブラックの需要は増加するが、カーカスブラックの需要は減少している。
- 世界中で自動車産業が衰退しているにもかかわらず、タイヤ部門は依然として市場を支配している。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- アジア太平洋地域は、中国やインドを含む発展途上国からの旺盛な需要により、世界市場を支配した。同地域は自動車の製造拠点であることが、同地域のレゾルシン市場成長の推進要因の一つとなっている。
- しかし、同地域の自動車産業の衰退が市場の成長を妨げている。
- 中国は世界最大の自動車生産国である。しかし、同国の自動車生産台数は約4%減少した。自動車販売台数も5%以上減少した。
- 自動車産業の業績は、景気変動と中国の対米貿易戦争の影響を受けた。この傾向は2019年も続き、乗用車と商用車の販売台数はさらに約10%減少した。しかし、電気自動車の販売台数の増加は、自動車市場が再び低迷することを回避するのに役立ちそうである。
- しかし、同地域における建設業の増加は、予測期間中にレゾルシノールの需要を補う可能性が高い。
- 例えば、過去数年間、中国の建設産業は急速に発展した。中央政府が経済成長を維持する手段としてインフラ投資に力を入れているためである。中国政府は、経済をよりサービス重視の形態にリバランスさせる努力にもかかわらず、今後10年間で2億5,000万人を新たな巨大都市に移住させるなど、大規模な建設計画を展開した。
- さらに、統計・計画実施省のデータによると、インドの建設部門は2019年に成長率が6.7%に鈍化すると予測されている。また、2028年までは年平均6.6%で拡大すると予測されている。さらに、インドは2022年までに世界第3位の建設市場になると予想されている。
- こうした要因が、予測期間中のレゾルシノール市場の需要を押し上げると推定される。