マーケットトレンド の ヨーロッパの住宅用不動産 産業
市場を支える新築住宅の取引価格の伸び
- 2022年第2四半期の住宅価格は前年同期比で18.2%上昇した。その結果、オランダは引き続き、住宅価格の伸びが最も著しいEU諸国の上位5カ国に入っている。オランダ統計局(CBS)、オランダ土地登記地図庁(Kadaster)、ユーロスタットによる新しいデータがこれを裏付けている。住宅価格指数には、新築と中古の持ち家両方の取引価格が含まれている。2022年第2四半期、EU全体の住宅価格の平均上昇率は10%に近かった。エストニア(27%増)、チェコ(23%増)、ハンガリー(23%増)、リトアニア(22%増)に続き、住宅価格が最も大きく上昇したのはオランダであった。
- 2022年第2四半期の新築住宅の平均取引価格は前年同期比で16.9%上昇した。さらに、新築住宅の販売価格の中央値が50万ユーロ(53万1,500米ドル)を超えたのは初めてであった。既存の持ち家は通常、新築よりも18.4%高い。過去最高の20.3%を記録した2022年第1四半期と比較すると、この伸びはそれほど大きくはない。
- 2022年第2四半期には47,000戸以上の持ち家が販売された。前年同期比では10.2%の減少だが、2022年第1四半期比では7.9%の増加である。新築住宅の販売件数は前年同期比13.8%減の約8,000件であった。
市場で著しい成長を見せるレンタル部門
- 2022年第3四半期に家具付き個室を借りた場合、アムステルダムは調査対象となった欧州22都市の中で最も高額な都市となった。また、家具付きのワンルームや1ベッドルームアパートメントを借りるのに最も高額な都市のひとつでもあった。他の消費者主導型企業と同様、欧州の多くの都市でも家賃の高騰が大きな原因となっている。需要に対して供給が遅れれば、価格は上昇する。
- 賃貸料が高騰しているのは、空きスペースの不足、高い土地代、建築費、高い報酬を得る労働者が望ましい地域の中心部に住みたいという願望など、さまざまな要因が絡み合っているためだ。
- 家賃は何年も前から徐々に上昇しているが、アムステルダムは2022年第4四半期、各物件の絶対価格が最も高く、シングルルームの平均が900ユーロ、ワンルームが1,950ユーロ、アパートメントが2,300ユーロと驚異的だ。過去1年間の賃貸価格の推移を見ると、アムステルダムは欧州の上位3都市にも入っておらず、価格が上昇しすぎて横ばいになり始めていることがわかる。
- シングルルームの年間上昇率では、リスボンが33.3%上昇でトップ、ベルリン(28.4%)、フランクフルト(24%)と続く。ワンルームの家賃では、ローマが前年比45.8%増でトップ。僅差でハンブルク(44.4%)、レイキャビク(40.4%)が続く。アパート家賃の前年比上昇率は、ミュンヘンで37.4%、レイキャビクで31.6%、ブダペストで29.6%だった。これは憂慮すべき数字だが、賃貸市場がパンデミック前の状態に戻り、以前のパターンを引き継いでいる結果である。最も重要なことは、需要と供給の均衡を改善することがいかに重要であるかを改めて強調することである。