マーケットトレンド の カタール電力EPC 産業
送配電部門が著しい成長を遂げる
- 同国の送配電部門は、カタール電力・水公社(Qatar General Electricity Water Corporation)の子会社である国営組織カハラマー(Kahramaa)が100%所有している。この部門には民間投資は認められていない。
- カタールには、国内人口の100%を接続する整備された送電網インフラがある。しかし、送電・配電部門には大量の投資が流入している。これは主に電力需要の増加と発電部門の発展によるもので、その結果、既存の送電・配電インフラのアップグレードだけでなく、新たなインフラも必要となった。
- 国内では電力需要が大幅に増加している。この成長に伴い、発電部門も大幅な容量増を目の当たりにしてきた。発電部門の成長に伴い、送電インフラの拡張とアップグレードの必要性も高まり、この部門への投資が増加している。送配電インフラの拡大は、主に以下の要因によって推進されている。
- 特に過去5年間における産業部門の成長と、2022年FIFAワールドカップに向けたインフラ整備の増加に伴い、ここ数年の電力需要は7%を大きく超えるペースで伸びている。この需要を満たすため、発電部門は大幅な容量増を目撃した。2008年から2018年の間に、発電設備容量は4,032MWから10,580MWに増加した。
- したがって、予測期間中、建設中およびパイプライン中の発電プロジェクトの数を考慮すると、送配電インフラに対する需要も同様の成長傾向を示すと予想される。
市場を牽引する太陽光発電と風力発電へのシフト
- カタール政府は2008年、将来の持続可能な発展を目指した「カタール国家ビジョン2030計画を発表した。このビジョンでは、2020年末までに自然エネルギーによる発電量の2%を達成し、2030年までに太陽光発電による発電量の20%を達成するという目標が掲げられていた。
- この計画に沿って、国内ではいくつかのプロジェクトが建設中/計画中である。そのような主要プロジェクトのいくつかは以下の通りである:
- 国営企業であるシラジ・パワー社は、アル・カルサ地区に建設される70万kWの太陽光発電所の入札を行い、EPC業者を選定中である。この発電所の太陽光発電容量のうち35万kWは2021年第1四半期までに、残りの35万kWは2021年第4四半期までに送電網に接続される予定である。
- 2015年、カタール電力・水公社は、三菱商事と東京電力のコンソーシアムであるK1エナジーを選定し、容量240万kWの風力発電所を建設した。
- 2020年1月、トタルSAはカタールに80万kWの太陽光発電所を建設すると発表した。この太陽光発電所の建設が開始されれば、同国最大の太陽光発電所となる見込みである。この太陽光発電所は、トタルSAにとってこれまでで最大の太陽光発電所プロジェクトでもある。
- 再生可能エネルギーによる発電は、発電部門だけでなく送電・配電部門への投資も促進すると期待されている。再生可能エネルギーは断続的な電源であるため、送電網のインフラに余計な負担をかける可能性がある。間欠性の問題に対処するため、送電・配電インフラのアップグレードが必要になると予想される。
- したがって、太陽光発電や風力発電へのシフトが、予測期間中の市場を牽引すると予想される。