マーケットトレンド の ポルトガルの再生可能エネルギー 産業
市場を支配する水力発電
- 2018年、再生可能エネルギーによる総発電量のうち、国内では約45%が水力発電によるものだった。水力発電による2018年の発電量は13757ギガワット時で、2017年の7632ギガワット時(GWh)を上回った。
- 2018年、スペインの電力会社イベルドローラは、ポルトガルに新たに3つのダムと発電所を建設すると発表した。これらのダムは、スペインに源を発しポルトガル北部を横断して大西洋へと流れるドウロ川のうち、タメガ川とトルノ川に設置される予定である。プロジェクトの総発電容量は1158MWで、2023年末までに運転を開始する予定だ。
- 2019年、多国籍電力会社であるイベルドローラは、同国で149メガワット(MW)の太陽光発電プロジェクトを確保し、ポルトガルの太陽光発電市場に参入した。このプロジェクトは2つに分割され、アルガルヴェ地方とタホ渓谷地方に建設されるようだ。
- したがって、上記の点から、予測期間中は水力エネルギーがポルトガルの再生可能エネルギー市場を支配する可能性が高い。
再生可能エネルギー導入の増加が市場を牽引
- 2018年、同国の発電量の50%以上が再生可能エネルギーによるもので、残りは化石燃料によるものだった。ポルトガル政府は、より多くの再生可能エネルギー発電設備を導入することで、2050年までに温室効果ガスの排出を0%にすることを計画している。2018年の再生可能エネルギーによる発電量は30643ギガワット時(GWh)であった。
- 2018年、総再生可能エネルギー発電所設置容量は13646メガワット(MW)であり、2017年の設置容量13400メガワット(MW)を上回った。
- 2018年、再生可能エネルギーによる総発電量のうち、42%が風力エネルギーによるものだった。2019年、WindFloat Atlantic Projectの最初の風力タービンはスペインの港を出発し、ポルトガルに到着した。2020年1月、風力タービンはポルトガル沖でパイロット・プロジェクトとして発電した。2019年、アクシオナはVidrala Groupと2020年に再生可能エネルギーで発電した電力を供給する契約を締結した。供給される電力は、Vidralaの2つのガラス容器工場で使用され、173ギガワット時(GWh)の電力を使用する見込みである。
- 以上のことから、再生可能エネルギー導入の増加が、予測期間中のポルトガル再生可能エネルギー市場を牽引すると予想される。