マーケットトレンド の ポーランドの再生可能エネルギー 産業
太陽エネルギーは急成長が見込まれるセグメント
- 太陽光発電は、同国で最も有望な再生可能エネルギー源のひとつであり、2011年以降、大きく成長している。2011年にはわずか2MWだった太陽光発電容量が、さまざまなダイナミックな変化を経て、今年の時点で国全体の太陽光発電容量は1,116万kWに達している。
- 同国の太陽光発電設備容量の大幅な増加は、小規模太陽光発電(1MW未満)と大規模太陽光発電所(1MW以上)の両方に対する政府の支援政策と再生可能エネルギーオークションの結果である。2040年までのポーランドのエネルギー政策の下、政府は同年までに太陽光発電容量を20GWとし、風力を抜いて最大の再生可能エネルギー源とすることを目指している。
- 政府は「エネルギーと気候に関する国家計画において、2030年までに780万kWの太陽光発電容量を目標としていたが、ポーランドの再生可能エネルギー研究所(IEO)は、2025年までに目標を達成すると予測している。太陽光発電容量の増加は2021年と2022年に記録されたのと同じ傾向が続き、今後数年間は年間設置容量がさらに増加すると予想されている。
- 太陽光発電設置容量増加の主な要因のひとつは住宅への設置であり、2019年に政府が導入した人気の補助金制度によってインセンティブが付与されている。さらに、SolarPower Europeによると、ポーランドでは2022年8月までに50kW未満の小規模設置が110万件を超えた。
- 歴史的に、ポーランドでは小規模太陽光発電分野が太陽光発電市場を支配してきた。しかし、同国では昨年、1MW以上の大規模太陽光発電施設の容量が160万kW増加した。予測期間中、大規模太陽光発電プロジェクトのシェアは上昇し、予測期間の後半には総設備容量のほぼ50%に達すると予想される。
- したがって、上記の点から、予測期間中、太陽エネルギーは最も急成長する分野となる見込みである。
有利な政府政策が市場需要を牽引する見込み
- ポーランドは、約1000kwh/m2の日射量を誇る豊富な太陽エネルギー資源に恵まれている。技術の進歩は、太陽電池モジュール製造のスケールメリットと相まって、太陽電池モジュールの低価格化を促進した。さらに、太陽エネルギーの経済性も著しく向上した。ポーランドは近い将来、太陽エネルギー市場の成長が見込まれ、その主な要因は技術の進歩と政府による政策レベルの支援である。
- 太陽エネルギーの普及を促進するため、政府は2022年11月に国家補助金の規模を拡大すると発表した。太陽光発電設備に対する補助金を6,000ズロチ(1,275ユーロ)に、蓄電設備に対する補助金を15,000ズロチ(3,187ユーロ)に引き上げる。
- さらに政府は、2030年までに電力に占める再生可能エネルギーの割合を27%に引き上げるという目標を掲げた国家エネルギー政策を可決した。このような政策は、予測期間中、同国の再生可能エネルギー市場の成長を促進すると予想される。
- 国際再生可能エネルギー機関(International Renewable Energy Agency)によると、2022年の再生可能エネルギー設備容量は2124万kWで、年間成長率は前年比29%である。有利な政府政策と大幅な成長率により、ポーランドの再生可能エネルギー容量は予測期間中に成長すると予想される。
- 新たな目標に沿って、ポーランドの洋上風力発電設備容量は2030年までに590万kW、2040年までに1100万kWに達する予定である。一方、太陽光発電容量は2030年に500万~700万kW、2040年には1,000万~1,600万kWに増加する予定である。同国は、風力発電の潜在能力も非常に高い。
- したがって、政府が設定した高い再生可能エネルギー目標や、ポーランドにおける新政策の導入が、予測期間中に同国の市場を牽引すると予想される。