マーケットトレンド の フォトニクス 産業
データ通信分野でシェアを拡大するシリコンフォトニクスの用途
- 光ブロードバンドなどの通信技術における光ソリューションの利用拡大が、同市場における技術需要を牽引し、同セグメントが大きな市場シェアを占めると予想されている。
- 光ネットワークの利用拡大はインフラの一部であるため、レガシーネットワークの強化に向けた通信会社の投資が需要を牽引すると予想される。電話会社は、古い銅線システムを光ファイバー回線に置き換えた最初の企業である。電話会社は光ファイバーをバックボーン・アーキテクチャとして、また都市電話システム間の長距離接続に使用している。
- さらに、技術の普及やインターネットを介したビデオ・コンテンツの消費の増加に伴い、ブロードバンドに対する需要は世界的に高まっている。TeleGeographyの海底ケーブルマップによると、海底ケーブルはインターネットのバックボーンとして機能している。国や大陸を相互接続する海底ケーブルは約300本ある。
- ここ数年、クラウドやコンテンツのプロバイダーは、より多くのユーザーを引き付け、信頼性の高い帯域幅集約型サービスを提供しようと試みており、その結果、海底インフラの人気が高まっている。海底ケーブルの寿命は約25年と予想されている。
- フォトニクスは、特にバックボーン・ネットワークで増大する帯域幅容量要件に対処するため、斬新で破壊的な技術を提供する。
- 光ファイバーは、5G、IoT、ビッグデータといった未来型技術の帯域幅レベルに対応できるため、リアルタイムのデータ収集・転送にも対応できる。その過程で、ネットワークのボトルネックを解消するために、モバイル・エッジ・コンピューティングと複数のスモールセル(またはノード)が必要となる。こうしたノードの導入では、ネットワークのバックホール部分にファイバーケーブル接続を多用することで、ミリ波スペクトラムの技術を活用することが多い。
北米が著しい成長を遂げる見込み
- 北米のフォトニクス市場は予測期間中に大きく成長すると見られており、米国がこの地域市場を支配している。この地域のフォトニクス市場は、照明、安全・保護アプリケーション、ヘルスケア、生産技術などの隣接市場の成長と強く相関している。
- また、米国はデータセンター・ハードウェア市場を支配しており、これはフォトニクスにとって依然として最も重要なアプリケーションの一つである。IBM、Intel Corp.、HPといった市場の既存企業が複数存在し、研究開発資金へのアクセスも増加していることから、この地域の成長が期待されている。米国は、消費者からのフィードバックに大きく依存するフォトニクスベースのアプリケーション企業が最も集中している。
- マイクロソフトやフェイスブックといった業界大手の存在が米国市場を牽引する主な力となっており、各データセンターのデータ伝送プロセスを最適化する必要がある。また、同国は技術の進歩や拡大に有利な環境を提供している。さらに、米国のシリコンフォトニクスデバイス産業における多額の資金調達状況は、拡大するフォトニクス市場に投資する組織や新興企業を後押ししている。
- フォトニクスの進歩は経済の多くの分野に大きな影響を与えており、カナダはこの将来産業で確固たる地位を築くのに有利な立場にある。カナダには、光学やフォトニクスに携わる世界トップクラスの物理学者やエンジニアが数多くいる。
- さらに、エンジニアのチームは、レンズの代わりに超薄型のオプティカル・フェーズド・アレイ(OPA)を用いた新しいカメラ設計を考案し、スマートフォン・メーカーの端末の薄型化を可能にした。同様に、同様のトレンドは、予測期間中、同国におけるフォトニクス採用の大きな需要を生み出すと予想される。
- カナダの無線通信事業者は、2020~2026年の間に5Gインフラの展開に約258億米ドルを投資すると見られており、その結果、政府も通信機器製造を奨励している。こうした取り組みにより、同国の5Gインフラの範囲は拡大し、市場調査ベンダーにとって大きなチャンスとなる可能性が高い。