マーケットトレンド の 柿 産業
高い輸出額が市場を牽引
2023年の柿の輸出額は5億6,430万米ドルに達し、2022年から6.9%増加した。この成長は、抗酸化作用や抗糖尿病作用などの健康上の利点をもたらす高い栄養含有量と生物活性化合物による柿の需要増に起因している
2023年には、柿の5大輸出国であるスペイン、アゼルバイジャン、中国、米国、ウズベキスタンが総輸出額の85.1%を占めた。この集中は主に、輸入国での柿価格の高騰と、大半の地域での限定的な生産によるものである。ドイツやアメリカなど、需要は多いが生産量が少ない、あるいは全くない国は、中国のような主要生産国から輸入している。中国は主要な輸出国であると同時に消費国でもある
ヨーロッパ諸国は2023年の世界の柿の輸出をリードし、出荷額は2億9,080万米ドルで世界全体の51.5%を占める。アジアの供給者が僅差で続き、輸出の44.47%を占めた。世界的な柿輸出の増加は、国際市場における認識と需要の高まりに起因している。消費者は、その甘い味、栄養価の高さ、料理の多様性から、ますます柿に魅了されるようになっている。エキゾチック・フルーツへの関心の高まりも、この成長傾向に寄与している
アジア太平洋地域が世界の柿生産をリード
- アジア太平洋地域は、世界の柿果実生産の大半を占めている。この地域では、柿はその味と健康上の利点から地元市場で高く評価されている。日本、韓国、中国などの国々からの輸出需要は伸び続けており、柿は世界中に出荷されている。2022年の生産量は、中国が3,396.3千トン、韓国が231.5千トン、日本が216.1千トンでトップであった。
- 世界最大の柿の生産国である中国は、この地域全体の生産量に大きく貢献している。同国では、農法の改善と投資により、栽培面積と1ヘクタール当たりの収量の両方が増加している。栽培面積は安定しているものの、中国の柿の生産量は増加の一途をたどっており、主な輸出品目として干し柿が台頭してきている。栽培技術とポストハーベスト処理の進歩により、柿の品質と保存性が向上し、輸出の可能性が高まっている。