マーケットトレンド の パスワード管理 産業
近年のサイバーセキュリティリスクの増加が市場成長を牽引
- テクノロジーの利用が増加するにつれ、重要な場面でのテクノロジー導入に伴うリスクも増加している。例えば、金融情報や個人情報などの機密情報の漏洩、ユーザーやパスワードの漏洩による基幹システムのサーバーによるサービス拒否などが、パスワード管理の需要を押し上げている。
- IT Governanceが毎月発表しているデータ漏洩とサイバー攻撃のリストによると、2021年には少なくとも1,243件のセキュリティイベントが公に文書化された。2020年と比較すると、セキュリティ・インシデントは11%増加している。FinCENの調査によると、ランサムウェアによる恐喝により、少なくとも総額52億米ドルのビットコイン取引が行われたという。
- さらに、サイバーセキュリティに対する政府投資の拡大が、パスワード管理の需要を大幅に高めると分析されている。2022年3月、ジョー・バイデン合衆国大統領の2023会計年度予算案(5兆8,000億米ドル)がホワイトハウスから発表されたが、前年度からの大幅な支出増に見られるように、サイバーセキュリティが最大の焦点となっているようだ。
- 大統領予算では、民間のサイバーセキュリティ関連業務に2022年から約109億米ドルの増額が要求されている。そのうち25億米ドルがDHSのサイバーセキュリティ・インフラストラクチャ安全保障局(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)に当てられている。これは前年度から約5億ドルの増加である。
- したがって、サイバーセキュリティリスクの増大と、それを軽減するための政府投資は、予測期間中、パスワード管理ソリューションの需要を強化している。IBMによると、世界の主要産業の中でサイバー攻撃の割合が最も大きいのは製造業である。産業組織に対する攻撃は、2021年の全サイバー攻撃の23%以上を占めた。金融・保険は攻撃の約22%で2位につけている。専門・商業サービスは全体の約13%を占め、3位にとどまった。