マーケットトレンド の パキスタンの果物と野菜 産業
青果物の高い輸出ポテンシャル
その恵まれた環境条件から、パキスタンは柑橘類とマンゴーの世界トップクラスの生産国であり、生産の大部分はシンド州とパンジャブ州で行われている。パキスタンは、柑橘類の世界輸出市場の1.5%を占めている。これを受けて政府は、果物や野菜の生産を促進するためのプロジェクトや戦略をいくつか立ち上げている。そのひとつが、2021年に開始された「パキスタンのバラニ地域のコマンドエリアを強化するための国家プログラムで、5年以内に18,000ヘクタール以上の果実作物を栽培することを意図している
さらに政府は、国家優先セクター輸出戦略(NPSES)イニシアティブの下で「パキスタン輸出戦略2023-2027のような戦略を策定し、今後5年間で輸出を強化する主要セクターとして果物や野菜を特定している。これらのイニシアチブは、気候変動に強い品種を導入することで生産性を向上させ、気候変動による作物の損失を減らすことを目的としている。パキスタンの果物輸出全体の60%以上を占める柑橘類とマンゴーは、2023年にはマンゴーの生産量が20%減少し、3年連続の減産となり、輸出に影響を及ぼしている。果物や野菜の輸出ポテンシャルの高さに加え、政府の様々な取り組みによる後押しや増産の見込みが、今後数年間の市場を牽引していくと予想される