マーケットトレンド の 有機酸 産業
食品・飲料業界におけるクエン酸の需要増加
クエン酸は、他の酸味料に比べて毒性が低いため、食品・飲料業界で最も広く使用されている添加物のひとつであり、酸味料として、またコンビニエンス・フードの保存性を高める保存料として使用されている。ノンアルコール飲料やジャム、ゼラチンベースのデザート、缶詰の野菜や果物に含まれている。また、特に飲料業界では、酸味と爽やかな風味を提供し、多くの飲料の甘味を相殺するため、風味を向上させる上で大きな役割を果たしている。また、米国食品医薬品局(FDA)などの規制機関は、クエン酸を食生活における安全な天然酸とみなしており、市場の成長を後押ししている。FDAは、1日500ミリグラムのクエン酸を摂取しても有害な影響はないと報告している。また、冷凍加工食品や一部の油脂に添加物としてクエン酸を使用すると、酸化防止剤の働きが促進され、製品の劣化速度を効果的に抑えることができる。 また、欧州連合(EU)の規制では、クエン酸はビールや麦芽飲料の添加物として認められている。そのため、麦芽飲料の需要が増加すれば、市場の成長はさらに加速するだろう
有機酸市場を牽引するアジア太平洋地域
アジア太平洋地域は、加工食品消費の増加と可処分所得の増加により、有機酸の世界市場で最大のシェアを占めている。また、インド商工会議所(ASSOCHAM)が実施した調査によると、野菜の価格高騰により、人々はジンジャーガーリックペースト、トマトピューレ、ケチャップなどの加工品を購入し、他の代替品に目を向けている。したがって、2015年11月にこれらの製品の売上が20〜225%上昇したことは、この地域の食品有機酸市場を煽る結果となった