マーケットトレンド の 陸上の石油とガスのパイプライン 産業
市場を支配する天然ガスパイプラインのタイプ
- 天然ガス消費量は大幅に増加し、発電や輸送を含む複数の産業における天然ガス需要の増加により、2020年には3,822億立方メートル(bcm)に達する。この消費量は今後数年間増加すると予想され、ガス・パイプライン・インフラを大きく牽引する可能性が高い。
- 2030年までには、中東・アフリカやアジア太平洋などの地域における環境上の利点やエネルギー安全保障の追求などの要因により、天然ガスの需要はすべての燃料タイプの中で大きな成長を目撃すると予想される。
- 世界全体では、パイプラインを通じた天然ガスの輸出量は2020年に約7558億立方メートルとなる。また、2020年時点で、ロシアはパイプラインを通じた最大のガス輸出国であり続け、約197.7億立方メートルの天然ガスが輸出された。ロシアが使用するパイプラインのほとんどは陸上で、ベラルーシ、ウクライナ、中国を経由している。LNG貿易は世界的に大幅な増加が見込まれており、その結果、天然ガス・パイプライン・ネットワークの需要も増加する。
- さらに、インド政府は2020年1月、国内の遠隔地を網羅するために建設中の全国ガス送電網の一部として、北東地域の陸上天然ガス・パイプライン・ネットワークに7億7,400万米ドルを承認した。この1,656kmのパイプラインには最大926億5,000万インドルピーが投じられ、2023年までに完成する予定である。
- シェールガス鉱床のような天然ガスの新たな供給源の開発とそれに伴う価格圧力は、天然ガスの国際取引を増加させている。したがって、こうした開発により、予測期間中にパイプライン・ネットワークの拡張需要が増加すると予想される。
アジア太平洋地域は大きな需要が見込まれる
- アジア太平洋地域のエネルギー消費は、2050年までに最大48%増加すると予想されている。国際エネルギー機関(IEA)によれば、中国は2025年まで世界のエネルギー増加の30%に貢献すると予想されている。さらに、中国では天然ガスの輸入量が増加の一途をたどっており、2020年には138.371bcmに達する。
- 中国石油天然気集団公司(CNPC)や中国海洋石油総公司を含む中国の国有企業は、現地のガス田の生産量を最大化する計画を持っている。これにより、同国内に陸上ガスパイプラインを建設する必要が生じ、同地域のパイプライン需要がさらに高まると予想される。
- インドもまた、増大する需要に対応するため、ガス・パイプラインのインフラ整備を進めている。2021年度の年次予算で、インド政府はジャンムー・カシミール連邦直轄領のパイプライン・プロジェクトを発表した。これとは別に、インド政府はエネルギーバスケットに占める天然ガスの割合を15%まで高めることを目指しており、2030年までに陸上ガスパイプライン、CGD、LNG再ガス化ターミナルなどのガスインフラ建設に660億米ドルの投資を見込んでいる。
- さらに、インド政府は2020年12月、主に陸上でのガス・パイプライン・インフラ構築のために600億米ドルを投資すると発表し、2024年までに全国232の地域で圧縮天然ガス・パイプライン・ネットワーク(CGD)の拡張を行うとした。
- このため、アジア太平洋地域における新たなパイプライン・インフラとともに、原油や天然ガスの需要増加といった重要な要因が、世界の陸上石油・ガスパイプライン市場の成長を促進すると予想される。