マーケットトレンド の オリーブ 産業
食生活革命によるオリーブオイルの需要増
消費者の健康志向の高まりが、オリーブオイルとその製品の需要を牽引している。オリーブオイルは心臓の健康をサポートし、抗酸化物質や必須オメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸を豊富に含んでいる
伝統的に、オリーブオイルの消費は地中海沿岸諸国に集中している。スペイン、イタリア、トルコ、ギリシャが最大の生産国で、いずれも地中海地域に位置している。しかし、中国、アメリカ、オーストラリアなど、伝統的に地中海式食生活とは無縁の国々が、オリーブオイルの消費量と生産量を伸ばしているのだ
オリーブオイルの需要増加の背景には、健康意識の高まり、食の嗜好の変化、市場の拡大、経済的要因などがある。消費者が食品の選択において健康、ウェルネス、品質をますます優先するようになるにつれて、オリーブオイルの需要は継続し、潜在的に増加すると予想される
オリーブ貿易におけるヨーロッパの重要な役割
EUは世界のオリーブオイル産業をリードしており、世界の供給量の約67%を生産している。オリーブの栽培面積は約400万ヘクタールで、主に地中海沿岸のEU諸国で、伝統的、集約的、超集約的な栽培が行われている。EU域内では、イタリアとスペインが最大の消費国である。EUは世界のオリーブオイル消費の約53%、輸出の約65%を占めており、米国、ブラジル、日本が主要輸入国である
欧州委員会の2024年のデータによると、今シーズンのイタリアのオリーブオイル生産量は33万トンで、前シーズンから37%増加した。この数字は、10年平均を2%近く上回り、欧州委員会が以前に予測した324千トンをわずかに上回る。イタリアの期末在庫は140千トンにとどまると予想されている。EU全体では、2024年の生産量は1,488千トンと予想され、前シーズンの1,392.3千トンから増加する。この増加は、より健康的な調理法や地中海食に対する消費者の嗜好の高まりによるものである。特筆すべきは、発展途上国から輸入されたオリーブオイルのかなりの部分が、ヨーロッパの主要なオリーブ加工業者によるブレンドや精製に使用されていることである