マーケットトレンド の ノルウェー製薬 産業
ノルウェーの処方薬部門は予測期間中に成長が見込まれる
ノルウェーの処方薬カテゴリーは、同国における多剤処方薬の電子処方(eMDD)のような新たな取り組みにより、医薬品市場で最大の割合を占めると予想されている。例えば、2022年1月に発表されたNorwegian Centre for E-healthが実施した調査によると、一般開業医(GP)はeMDDの導入により大きなメリットを経験している。加えて、高齢化、技術の進歩、慢性疾患の負担増なども、同国における同分野の成長を後押しする要因となっている
国内における医薬品販売の増加は、医薬品販売に処方箋医薬品が含まれることから、同分野の成長に大きな影響を与えると予想される。例えば、ノルウェー公衆衛生研究所が2022年10月に発表した報告書によると、2021年のヒト用医薬品の販売額は228億ノルウェークローネ(21.5億米ドル)(薬局購入価格(AIP))で、前年比8.1%増であった。処方薬は1日投与量(DDD)で測定した売上高の約91%を占めた
また、前述の同じ情報源によれば、国内では70歳以上の患者の約90%が処方薬を受けている。このことから、ほとんどの処方薬の売上は、調査期間中、このセグメントで大きな成長が見込まれることがわかる
予測期間中、ATC/治療薬クラスの抗悪性腫瘍薬と免疫調節薬が市場で大きなシェアを占める見込み
抗悪性腫瘍剤および免疫調整剤セグメントは、同国におけるがん患者の負担が大きいことに加え、同セグメントにおけるより高度な医薬品により、市場で大きなシェアを占めると予想される。加えて、高価格と新薬の市場導入が同国の市場プレーヤーを引き付けており、同セグメントの大きな成長が期待されている
がん登録ノルウェーによると、2022年末時点で、ノルウェーでは男性20,487人、女性17,778人が新たながん患者として登録されており、加えて抗悪性腫瘍剤と免疫調節剤の医薬品売上が高い。例えば、Norwegian Drug Wholesale Statisticsが2022年10月に発表した報告書によると、これらの薬剤は売上高が最も高く、2021年のヒト用医薬品のコストの25%を占めている。この薬剤群には、がん治療用の高価な薬剤や、関節炎や多発性硬化症治療用の生物学的薬剤が含まれる。これは、このセグメントにおける癌の高負担と薬剤の高売上高を示しており、調査期間中に市場が大きく成長すると予想される
さらに、このセグメントにおける新製品の上市や承認は、市場における医薬品の広範な流通を増加させる。例えば、2022年12月、ノバルティスは、前立腺特異的膜抗原陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がんの治療のための標的放射性リガンド療法であるPluvicto(ルテチウム(177Lu)ビピボタイドテトラキセタン)の承認を欧州委員会(EC)から取得した。この承認は、欧州連合(EU)の全27加盟国とノルウェーに適用される。このように、癌の高負担や製品の承認・上市の増加といった上記の要因により、研究セグメントは予測期間中に成長すると予想される