マーケットトレンド の 北米の石油およびガス潤滑剤 産業
海洋探査が最も高い成長を遂げる見込み
- 北米の陸上油田や浅海油田のほとんどは成熟期を迎えており、これらの地域では新たな油田発見の余地はほとんどない。しかし、オフショア深海油田の探査・生産には明るい展望が開けている。
- 将来の世界的な石油需要を満たすためには、石油・ガス事業者が新たな埋蔵量を発見し続けているオフショア深海底にチャンスがある。
- World Oilが国際石油省を対象に行った調査によると、北米での海洋掘削は2022年に14%増加した。
- このような海底坑井からの回収率を維持・向上させるための要件が増加し、さらに拡大することが予想されるため、潤滑油の需要が増加する。
- 海底作業におけるさまざまな種類の潤滑剤技術の使用に関連する政府の規則や規制方針は、日に日に厳しくなっており、生産システムの効率を高めるために潤滑剤事業におけるより良い技術革新の必要性を高め、地域プレーヤーが市場シェアを拡大するための門戸を開いている。
- カナダ石油生産者協会(CAPP)によると、ニューファンドランド・ラブラドール州におけるオフショア投資は、2021年の15億米ドルから2022年には16億米ドルを超えた。世界的には、オフショアセクターは大きな新規投資を引き寄せており、2022年の投資額は7%増の約1,950億米ドルとなる。これに対し、メキシコ湾では今年21%増の131億米ドルの投資が見込まれている。カナダの海洋開発は、世界で最も排出量の少ない石油を供給する。天然ガス・石油業界と州政府は、カナダのオフショア部門の価値を実現するため、連邦政府と協力して地域の国際競争力を向上させようとしている。
- 原油価格が持続可能な水準まで上昇するにつれて、北米のオフショア海域でいくつかの海洋探査・生産プロジェクトが開始されることが予想され、予測期間中、潤滑油事業に携わる企業にとって絶好の成長機会となる。
米国は石油・ガス用潤滑油の需要を促進する見通し
- 米国では、シェールオイル/ガスやタイトガスなどの非在来型資源の探査・生産活動が、予測期間中も高水準で推移すると予想される。
- 原油価格が上昇する中で市況が大幅に改善しつつあることに加え、健全な石油・ガス産業の戦略的重要性を理解するエネルギー政策に前向きな新政権の支持もあり、米国では探査・生産活動がさらに増加すると予想される。
- 北米地域におけるシェール革命は、比類なき石油・ガス生産の伸びをもたらした。掘削技術とフラッキング技術の進歩により、シェール岩に閉じ込められた膨大な埋蔵量のガスと石油が掘り出され、この地域のエネルギー事情が塗り替えられた。
- 国際エネルギー機関(IEA)は、石油とガスの生産がさらに増加し、2027年までに米国が1953年以来の純石油輸出国になると予測している。
- CEDIGAZのデータによると、米国は2022年上半期に世界最大のLNG輸出国になった。EIAの推定によると、米国のLNG輸出設備容量は2021年11月以降、名目で1.9Bcf/d(ピーク時2.1Bcf/d)増加した。
- 石油の探査・生産からその輸送・貯蔵・加工に至るまで、あらゆる段階で石油産業は重大な問題に直面し、極端な温度で操業している。さらに、石油・ガス産業で使用される機器や機械は高価であるため、長寿命を確保するための定期的なメンテナンスや潤滑油の必要性が生じている。このため、予測期間中、米国の石油・ガス産業における潤滑油の需要が増加すると予想される。