マーケットトレンド の 北米原子力発電所の設備 産業
市場を支配する加圧水型原子炉
- 典型的な商業用加圧水型原子炉(PWR)の設計は、原子炉容器内の炉心が熱を発生させるようになっている。原子炉圧力容器(RPV)の炉心には、核燃料、減速材、制御棒、冷却材が入っており、高圧の液体水によって冷却・減速される。PWRは、原子炉容器、蒸気発生器、原子炉冷却材ポンプ、制御道路、加圧器、その他の要素で構成されている。
- カナダのオンタリオ州にあるダーリントン原子力発電所とブルース原子力発電所では、数年にわたる数百万ドル規模の改修が行われており、これにより今世紀半ば以降も原子力発電所を運転できるようになる。ダーリントンの改修プロジェクトは2026年までに、ブルースのプロジェクトは2033年までに完了する予定である。
- 米国は、原子力エネルギーとPWR原子炉の最大市場のひとつである。世界原子力機関(WNO)によると、2021年11月現在、同国で稼働中の93基の原子炉のうち、62基がPWRで、同国の総設備原子炉容量の65.7%近くを占めている。
- さらに、米国で建設中の唯一の2基、総設備容量2500MWのボグル3号機と4号機は、ウェスチングハウスのAP1000型PWRを使用する予定である。将来も、さらに5基のPWRが計画されており、原子力機器市場の大幅な成長が見込まれている。
- 運転コストが低く、炉心の核分裂性物質が少ないなどの利点から、予測期間中は加圧水型原子炉が市場を支配すると予想される。