マーケットトレンド の 北米の穀物の種子 産業
ハイブリッドが最大の育種技術
- 北米では、ハイブリッド種子部門が数量、金額ともに市場を支配した。2022年には、穀物需要の増加により、ハイブリッド穀物種子が連作作物の金額ベースで80.1%を占めた。ハイブリッド種子のうち、主な生産作物はトウモロコシで、2021年には穀物の約94.4%を占めた。
- 有機栽培農家、家畜飼料、食品、バイオ燃料産業からのハイブリッド種子と開放受粉種子の需要の増加が市場の成長を牽引している。作物収量の増加により、ハイブリッド種子の需要はカナダやメキシコなどの国々で大きく伸びている。
- 新しい植物育種技術は、種子や植物細胞のDNAを改変することにより、所望の形質を持つ新しい植物品種の開発を可能にしている。植物育種における技術革新は、農家が日々現場で直面する課題の解決に役立っている。
- この地域では、小麦、雑穀、その他の穀物などの穀物・穀類作物では、大量の種子を必要とするため、開放受粉品種がよく使用される。
- 穀物・穀類分野では、小麦が最も栽培されている作物であり、2021年の穀物・穀類における開放受粉品種とハイブリッド誘導体の合計金額シェアに占める開放受粉品種の使用割合は20.1%である。
- 改良された開放受粉品種の採用は、収量が多く、現地の環境によく適応し、作物がより強く育つことができるなど、多くの利点がある。
- 露地受粉品種は収量が高く、同じ生産高を得るのに必要な生産面積が少ないため、ハイブリッド種子の需要が増加しており、これがハイブリッド種子市場の成長を促進すると予想される。
アメリカは最大の国
- 推計によると、2021年の北米における穀物・穀類の総栽培面積は8,240万ヘクタールで、加工施設の増加や、穀物・穀類が食生活の主食であることから自給自足の導入を推進する政府により、前年比2.0%増加した。
- 2021年の北米の種子市場は、種子生産額ベースで穀物・穀類合計が59.6%を占めた。
- 米国は世界第2位の穀物・穀類の生産国であり、トウモロコシと小麦が主な貢献国である。米国のトウモロコシ種子市場は、米国種子市場全体の約39.8%に寄与している。
- カナダは第5位の小麦生産国で、消費に必要な量以上の小麦を生産している。生鮮穀物や加工穀物の消費の増加、畜産や産業利用の増加により、国内の穀物や穀物の作付面積が増加している。
- メキシコはトウモロコシの主要生産国であり、2020年まで遺伝子組み換えトウモロコシの使用が増加する。2020年に遺伝子組み換えトウモロコシは禁止され、メキシコ政府は2024年までに遺伝子組み換え作物を国内から排除したいと考えている。トウモロコシの作付面積は減少している。現在使用されている種子の大半は他国からの輸入であるため、穀物・穀類の需要は増加している。
- 北米以外の地域の穀物・穀類種子市場総額は、2021年の北米の穀物・穀類種子市場総額の5.6%を占める。
- 気候異常時に失われる資源に対する政府支援の増加、輸入を減らす意識の高まり、穀物・穀類などの主食に対する継続的な需要が、この地域の種子市場を押し上げると予想される。