マーケットトレンド の 北米の肥料 産業
作物の種類別では、畑作物が最大のセグメントである。
- 北米では、畑作物が金額でも量でも肥料消費の大半を占めている。この地域では、畑作物の栽培が農地全体の95.0%以上を占めている。米国は、北米地域で利用可能な耕地面積の約69.0%を占めている。このうち84.0%が畑作物の栽培に使われている。
- 芝生と観賞用作物の栽培面積は、北米地域では畑作物に次いで第2位である。水溶性肥料、緩効性肥料、コントロールリリース肥料などの特殊肥料の使用は、畑作物や園芸作物に比べて多い。
- 園芸作物は農地全体のわずか4.7%を占めるにすぎない。園芸作物は2021年の肥料市場全体の約4.3%を占める。このうち、慣行肥料は同年の市場全体の約54.0%、特殊肥料は約46.0%を占める。
- 2018年から2019年にかけての肥料量の減少は、農地に影響を与えた大洪水によるもので、米国農務省は2019年に1,940万エーカー以上の農地を利用できなかったと述べている。
- 2020年から2021年にかけて、肥料の価値は大幅に増加する。世界的なパンデミックにより世界のサプライチェーンが寸断され、コンテナ不足が深刻化しているためだ。輸送コストはパンデミック前に比べて4倍近く上昇し、それが肥料価格に反映された。
- そのため、作物生産で圧倒的なシェアを誇る北米では、各社が特殊肥料やその他の効率的な肥料分野に参入する余地がある。
国別では米国が最大のセグメントである。
- 北米では、米国とカナダが肥料市場の金額と数量の90.0%以上を占めている。北米にはリン酸とカリの資源があるにもかかわらず、この地域は窒素の半分以上、カリの85.0%以上を海外から輸入している。
- 米国とカナダは、北米の作付面積の69.0%と18.5%を占めており、この地域で最大の肥料生産国である。近年、肥料の科学的・技術的進歩が進み、農家は肥料の恩恵を最大限に享受できるようになった。
- 米国は北米の総農地面積の約73.6%を占めているため、2021年の肥料市場全体の約82.1%を占め、同地域最大の市場である。
- カナダは北米で2番目に大きな肥料市場で、2021年の肥料市場全体の約11.7%を占める。
- 一般に北米では、特に米国とカナダで農業が最新技術によって機械化されている。こうした技術向上により、同地域ではより効率的で持続可能な肥料が求められている。
- 2019年から2020年にかけてのサプライチェーンの混乱は、同地域の肥料の金額と数量を減少させた。しかし、2020年から2021年にかけて、肥料の需要回復と投入コストの上昇により、肥料価格が急上昇した。
- 北米地域では、米国とカナダが最大の先進経済国である。多国籍企業のほとんどがこの地域に立地しており、肥料製品の入手可能性という点で生産者や農家に優位性をもたらしている。