マーケットトレンド の 北米バンカー燃料 産業
超低硫黄燃料油(VLSFO)が急成長する見込み
- 硫黄分が0.5%未満の船舶用燃料は、一般に極低硫黄(VLSFO)燃料油と呼ばれる。高硫黄燃料油(HSFO)に比べて排出量が少ないため、VLSFOは大きな成長が見込まれている。
- 超低硫黄燃料油は2020年までバンカー燃料としての需要は見られなかった。しかし、IMO2020の期限によってVLSFOの需要が増加した。2020年1月1日以降、HSFOは排出量削減のためのスクラバーが設置された船舶でのみ使用できる。
- 高硫黄燃料油(HSFO)バンカー燃料市場の大半は、まもなく低硫黄代替燃料に取って代わられると予想される。市場で入手可能なVLSFOのほとんどは、残渣と留出油成分からブレンドされ、さらに硫黄分と粘度の異なる様々なカッターがブレンドされ、規格通りの製品が作られる。
- 米国メキシコ湾岸の製油所の多くは、IMO準拠の船舶用燃料に使用される重質原油を処理できる。2020年には、より安価な重質原油を処理するために、蒸留装置やコーカーの改修に多額の費用が費やされた。例えば、Motiva Enterprisesは2020年、テキサス州ポートアーサーの製油所を大改修した。
- バンクーバー港は2021年上半期の貨物記録を更新し、カナダ最大の港を経由する全体の貨物量は過去最高の7,640万トン(MMT)を記録した。この数字は、2020年半ばの水準から7%、2019年から5%の増加を示している。同国における貨物取引の増加は、予測期間中にVLSFOの需要を押し上げると予想される。
- したがって、これらの要因から、VLSFOは予測期間中、北米バンカー燃料市場で最も急成長するセグメントとなる見込みである。