マーケットトレンド の 北米酢酸 産業
市場を支配する接着剤・塗料・コーティング剤産業
- 酢酸の誘導体は、接着剤、塗料、コーティング剤の配合原料として使用される。酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ビニルは、塗料産業で使用される主な酢酸誘導体である。 酢酸は酸性の性質を持ち、極性化合物や非極性化合物を溶解する能力があるため、接着剤、塗料、コーティング剤に有用な成分となっている。
- 北米地域では、米国、カナダ、メキシコが接着剤、塗料、コーティング剤の最大市場である。American Coatings Associationによると、塗料・コーティング産業は2020年の250億1,000万米ドルに対し、2022年には280億6,000万米ドルに達する。
- 米国では、自動車産業において塗料・コーティングの需要が増加している。米国は、中国に次ぐ世界第2位の自動車生産国である。OICAによると、2022年の自動車生産台数は1,006万台で、2021年の916万台から10%増加した。従って、自動車生産台数の増加は酢酸需要に好影響を与えると思われる。
- 同様にメキシコでも、塗料・コーティング市場は大きな成長率を記録し、様々な企業が同国で生産能力を拡大している。例えば、2022年8月、PPGインダストリーズはメキシコのサン・フアン・デル・リオで粉体塗料の生産能力を倍増させるために1,100万米ドルを投資した。
- カナダでは、接着剤、塗料、コーティング剤市場が2022年に成長を記録した。カナダ化学工業協会によると、カナダの接着剤、塗料、コーティング剤の輸出額は、2021年の9億300万米ドルに対し、2022年には10億9,200万米ドルに達する。
- 従って、接着剤、塗料、コーティング剤の市場需要の増加は、この地域の酢酸市場の需要を牽引するものと思われる。