マーケットトレンド の 不揮発性メモリ 産業
フラッシュメモリーが大きな市場シェアを占めると予想される
- コンシューマー・エレクトロニクスの需要拡大と普及により、デバイス・フラッシュ・メモリ・アプリケーションにつながった。このメモリ・タイプは、ラップトップ、GPS、電子楽器、デジタル・カメラ、携帯電話、その他多くのアプリケーションに採用されている。さらに、データセンター・ソリューション・ベンダーにも広く採用されている。クラウド・ソリューションの急速な普及に伴い、データセンターの需要も急増している。
- さらに、AI/MLアプリケーションやIoTデバイスへの傾向の高まりに伴い、高低遅延・高スループットのクラウドストレージ、フラッシュストレージ、企業データセンターがディープ・ニューラル・ネットワークのトレーニングに最適化されている。データセンターの数と規模の拡大は、需要をさらに拡大すると予想される。
- 需要の拡大に対応するため、同市場で事業を展開するベンダーは、より優れた機能を備えた新しいソリューションの開発に注力している。例えば、2021年2月、Kioxia CorporationとWestern Digital Corp.は、第6世代の162層3Dフラッシュメモリー技術の開発を発表した。これは、多くの技術革新と製造革新を利用した、同社で最も高密度で最先端の3Dフラッシュメモリー技術である。
- さらに、NORフラッシュ・メモリーも、超低消費電力ニーズにより支持を集めている。例えば、インフィニオン・テクノロジーズは2022年1月、同社のSEMPER NORフラッシュ・デバイス・ファミリーをサポートする開発ツールの追加を発表した。これにより開発者は、セーフティクリティカルで本質的に安全な自動車、産業、通信システムを迅速に設計できるようになる。
- 同様に2021年11月、Macronix International Co., Ltd.は、1.2Vデバイスの量産を開始した業界初のシリアルNORフラッシュメモリメーカーであることを発表した。同社によると、超低消費電力(ULP)、高速120MHzのMX25SシリアルNORフラッシュ・メモリは、モノのインターネット(IoT)、無線通信技術、WiFi、ナローバンドIoTシステム、ハンドヘルド機器、Bluetooth機器、コンシューマー・アプリケーションなどのアプリケーションをターゲットとした新世代の製品の先駆けとなる準備が整っている。
アジア太平洋地域が大きな市場シェアを占めると予想される
- オンライン・エンターテインメント、在宅勤務、ビデオ・音声通話サービスの需要急増に伴い、アジア太平洋地域のさまざまな国々で、データセンターを含む新しいインフラの建設が増加している。デジタル経済の急速な発展に伴い、中国やインドなどの国々で大規模なビッグデータセンターの建設が必要となっている。
- 中国は、NANDメモリ事業への積極的な取り組みにより、主要国として浮上している。例えば、NANDメモリ事業に積極的なYangtze Memory Technologies Co.Ltd.(YMTC)は、SSDを含む64層のNANDを国内で少量出荷しており、2021年には128層の生産を開発・出荷する予定である。
- さらに、この地域では不揮発性メモリー関連の技術開発に取り組む新興企業が複数の投資を受けている。例えば、2021年4月、InnoStar Semiconductor (Shanghai) Co. Ltd.はプレシリーズA資金調達ラウンドで約1億米ドルを調達した。この資金調達ラウンドはShanghai Lianhe Investmentが主導し、新たにAtlas CapitalとKQ Capitalが参加した。同社はこの投資で、抵抗変化型ランダムアクセスメモリー(ReRAM)チップやストレージ用途のその他のチップを生産することを目指している。
- この地域の企業は、様々な産業用途に不揮発性メモリを活用している。2021年11月、不揮発性メモリー(NVM)技術を提供するFloadia Corporationは、上海華虹恩寵半導体製造有限公司180BCD(Z8)プラットフォームで、10年間の150度C保持をサポートする製品名ZTの高品質eNVM(組み込み不揮発性メモリー)の提供を発表した。
- さらに、この地域では不揮発性メモリー(NVM)の研究開発活動も活発化している。2022年1月、サムスン電子はMRAM(磁気抵抗ランダムアクセスメモリー)をベースとした世界初のインメモリーコンピューティングのデモンストレーションを発表した。このような動向は、予測期間中、アジア太平洋地域の研究市場の成長を促進すると予想される。