マーケットトレンド の ナイジェリアの石油とガスの中流 産業
市場を支配する運輸部門
- 石油・ガス輸送業界ではパイプラインが主流である。国内の石油・ガス供給量は既存の輸送能力を上回ると予想されるため、パイプラインの拡張や新設が必要となる。
- グローバル・エネルギー・モニターによると、2022年12月現在、国内には原油とガスを輸送するための稼働中のガス・パイプラインが約3200km、稼働中の石油パイプラインが2535kmある。石油製品需要の増加に伴い、新たなパイプライン・インフラが必要とされている。
- エネルギー需要の増加により、パイプラインの建設や輸送施設が増加している。このエネルギー需要の増加により、石油・ガスパイプラインや輸送など、新たなターミナルやパイプラインの建設が増加している。
- 2022年7月、アルジェリア、ナイジェリア、ナイジェリアのエネルギー大臣が、サハラ砂漠を横断する4,000kmのガスパイプライン建設に関する協定に調印し、欧州への追加ガス供給が期待されている。
- ナイジェリアの天然ガス生産量は、2021年末時点で459億立方メートルに達した。消費量の増加は、必要な容量の増加に対する投資家のインセンティブとなり、将来の投資を向上させ、それによって業界の成長を後押しする。
- したがって、石油・ガス消費の増加と同部門への投資の増加により、パイプライン容量は予測期間中に若干増加すると予想される。
LNG輸出の増加に伴うパイプラインへの投資増加が市場を牽引する見通し
- 国家統計局によると、ナイジェリアの原油輸出は2022年第1四半期に約5.6兆NGNに急増し、2021年同期比200%増となった。同様に、ナイジェリアは、ロシアからの天然ガス輸入に対する制裁のため、代替ガス供給国を探す欧州諸国への天然ガス輸出の増加を推進している。2022年第1四半期、ナイジェリア液化天然ガス社(NLNGL)への輸出および原料販売による収入は2億4,357万米ドルに達し、原油輸出による収入を259.4%上回った。
- さらにナイジェリア政府は、産業や家庭部門向けにパイプラインを整備することで、天然ガスの国内消費を増やすことにも注力している。例えば、ナイジェリアは2020年、同国史上最大規模となる28億米ドルのガス・パイプライン・プロジェクトの建設を開始した。全長614キロメートルのパイプラインは、ナイジェリア国営石油公社(NNPC)の支援のもと、アジョクタからカノまで敷設される。
- 西アフリカ・ガス・パイプラインは、ナイジェリアのニジェール・デルタからベナン、トーゴ、ガーナなどの西アフリカ諸国にガスを供給するパイプラインである。パイプラインの長さは約677キロメートル(421マイル)で、1日当たり2億立方フィートの容量がある。このパイプラインは、多くの国々を結ぶこの地域の主要パイプラインのひとつである。
- ナイジェリアからのLNG輸出量は、2015年の269億立方メートルから2021年には233億立方メートルに増加する。
- パイプラインに関して、ナイジェリアは、ヨーロッパ諸国が減少しつつあるロシア産ガスの代替品を求めていることから、より多くの液化天然ガスをヨーロッパに輸送することを目指しており、これは中流市場を支援することになる。例えば、2022年現在、ナイジェリアのLNG施設は、7基目のLNG処理装置とそれを支えるインフラを追加し、総生産能力を年間2,200万トン(MTPA)から3,000万トン(MTPA)に増強するための拡張工事を行っている。