マーケットトレンド の 神経刺激装置 産業
予測期間中、脊髄刺激装置が市場を支配する見込み
脊髄刺激装置分野は、うつ病や慢性疼痛などの生活習慣病と結びついた神経疾患の有病率の増加や、技術的に高度な製品の採用の増加などの要因により、予測期間中に大きな成長が見込まれている
例えば、National Spinal Cord Injury Statistical Center (NSCISC) 2021のデータシートによると、脊髄損傷の年間発生率は100万人当たり60件である。脊椎手術に伴う術後疼痛の管理には、脊髄刺激装置が有用である。したがって、脊髄刺激装置の需要は脊髄手術の増加とともに増加している。さらに、脊髄損傷の罹患率は過去10年間で増加している。2022年4月に発表された Epidemiology of traumatic spinal cord injury a large population-based study という論文によると、年齢性別標準化外傷性脊髄損傷罹患率は全体で人口100万人あたり26.5人で、男女ともに年齢と直接関連しており、高齢者(65歳以上)では男女それぞれ100万人あたり59.2人、23.3人と上回っている
したがって、上記の要因から、本調査の予測期間中、神経刺激装置市場はこのセグメントで成長すると予想される
予測期間中、北米が市場を支配する見込み
神経刺激装置市場では、北米が大きな市場シェアを占めると予想されている。大きな市場規模の背景にある主な要因は、老年人口の増加、老年人口における神経疾患や脊髄損傷の症例数の増加、それによる神経刺激装置の需要の急増である。2022年7月に発表された「Spinal Cord Injury Facts and Stats(脊髄損傷の実態と統計)と題する報告書によると、毎年約17,700人の米国人が脊髄損傷に罹患しており、そのうち約78%は男性で、平均年齢は43歳である。このように、成人だけでなく高齢でも脊髄損傷の発生率が高いことが、神経刺激装置の需要を押し上げ、市場を牽引している
製品の承認や発売も市場成長の要因のひとつである。例えば、2021年7月、Nevro Corpは米国食品医薬品局から、疼痛性糖尿病性神経障害(PDN)に伴う慢性疼痛の治療用としてSenza Systemの承認を取得した。また、2021年1月には、ボストン・サイエンティフィック社が、個別化された疼痛緩和のための治療オプションを組み合わせた脊髄刺激装置(SCS)システムのポートフォリオであるWaveWriter Alphaを発売した
このように、神経疾患や脊椎損傷の症例が増加していることや、この地域での企業活動が活発化していることが、予測期間中の市場成長を増大させると予想される