マーケットトレンド の 天然脂肪酸 産業
家庭用、化粧品、パーソナルケア分野が市場の需要を独占
天然脂肪酸の抗菌性、抗真菌性、抗ウイルス性により、家庭用、化粧品、パーソナルケア市場で広く使用されている
- その上、脂肪酸は不透明化効果と粘着性を与え、製品の厚みを増す。こうした特性の結果、天然脂肪酸は化粧品やパーソナルケア製品に広く使用されている。
- パーソナルケアおよび化粧品産業は、2021年に約3,170億米ドルを占め、アジア太平洋およびヨーロッパが市場をリードしており、これらの市場におけるこうした製品に対する高い需要が市場を牽引すると予想される。また、2027年には、パーソナルケア産業は約3,548億米ドルになると予想されている。
- パーソナルケア・洗剤産業協会(IKW)によると、ドイツにおける洗濯用洗剤とクリーニング製品の売上は、前年の52億4,600万ユーロ(59億8,949万米ドル)に対し、2021年には50億9,200万ユーロ(60億2,460万米ドル)となった。
- さらに米国では、石鹸と洗剤の消費者1台当たりの年間平均支出額は、2020年の75.5米ドルから2021年にはおよそ80.5米ドルに達した。このような成長により、石鹸・洗剤事業では天然脂肪酸の使用が増えると思われる。
- 所得の増加、都市化の進展、衛生の重要性に対する意識の高まりにより、家庭用品、化粧品、パーソナルケア製品の需要が堅調に伸びている。
- パーソナル・ケア製品や美容製品がより多く作られるようになったため、天然脂肪酸の使用量も今後数年間伸び続けるだろう。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- アジア太平洋地域が世界市場シェアを独占した。同地域では、化粧品・パーソナルケア、洗剤・石鹸、油田、潤滑油などの産業で天然脂肪酸の用途が拡大していることが需要を大きく牽引している。
- 同地域では、西洋文化の影響により、パーソナルケアおよび化粧品の需要が大きく伸びている。このため、10代の若者による化粧品使用の増加、女性の雇用増加による身だしなみ意識の高まり、衛生意識の高まりが見られ、そのため同地域ではこうした製品の生産も増加している。
- そのほか、アジア太平洋地域は石鹸、ゴム、プラスチックといった製品の最大の生産地でもある。ゴムとプラスチックの生産は、建設、自動車、エレクトロニクスなどの産業からの使用量の増加に伴い、この地域で顕著に増加している。
- 2021年には、中国のプラスチック製品の総生産量は8,000万トンに達し、前年比5.27%増となる。中国は世界最大のプラスチック生産国で、世界のプラスチック生産量の3分の1近くを占めている。
- さらに、インドもプラスチック製品の主要な生産国と消費国のひとつである。2021-22年のインドからフランスへのプラスチック輸出総額は約2億2,500万米ドルであった。デジタル・インディア、「メイク・イン・インディア、「スキル・インディアといった政府の取り組みも、インドのプラスチック産業を後押しするだろう。
- この地域の建設業界は、インド、中国、インドネシア、シンガポール、ベトナムといった国々での住宅建設や商業建設の増加により、力強い成長を遂げている。また、インド、マレーシア、タイ、インドネシアなどでは自動車生産台数も大幅に増加している。
- これに伴い、人々はより多くのプラスチックやゴムを購入する可能性が高く、今後数年間、天然脂肪酸の市場を牽引する可能性が高い。