マーケットトレンド の ミサイルとミサイル防衛システム 産業
短距離ミサイルが市場シェアを独占
予測期間中、短距離ミサイルが最大の市場シェアを占めると予測されている。短距離弾道ミサイル(SRBM)とは、射程が約1,000km(620マイル)以下の弾道ミサイルである。比較的低コストで構成が容易なため、主に地域紛争における戦略的抑止力として配備されている。近隣諸国間の領土紛争が拡大していることが、敵対的な近隣諸国の戦略的要衝を標的として脅威を無力化できる高度なSRBMの研究開発・製造の主な推進要因の一つとなっている。さらに、国防費の増加と先進防衛システムの調達の増加が、この分野の成長を後押ししている
中国とインドの国境紛争や、中国がインドを戦略的軍事基地で取り囲んでいることも、インドを刺激し、自国の水域や鳥類を守るための短距離ミサイルへの投資を促している。新たな国防アップグレード計画の一環として、インドは国営の国防研究開発機構(DRDO)と提携し、新たな対艦・対空短距離ミサイルの導入に投資している。2022年1月、インド海軍はDRDOと共同で、インド海軍の軍艦に装備される短距離対空・対艦ミサイル、垂直発射短距離地対空ミサイル(VL-SRSAM)の発射実験に成功した
中国の軍事的脅威を受け、日本も2022年に防衛システムへの投資を大幅に増やした。2021年12月現在で8億8,000万米ドルの新規投資は、紛争抑止と、中国人民解放軍(PLA)が実戦配備している高性能兵器への対抗策開発に使われる。中国人民解放軍は現在、巡航ミサイルの能力をアップグレードし、現在100~200kmにとどまっている1,000kmの物体を攻撃できるように拡張する計画であり、より遠くの敵の目標から防衛する機会を向上させる
各国が互いに対する兵器庫の優位性を達成することを目指しているため、SCBMに関する活発なプログラムの数が大幅に増加している。例えば、2021年8月、中国PLAは新型通常弾頭を搭載した単段弾道ミサイルの発射実験を行った。新たに開発されたミサイルは、インドのプリトヴィ・ミサイルに匹敵する精密攻撃能力を可能にするマルチモード・シーカーも搭載すると推測されている