マーケットトレンド の 中東・アフリカ電池 産業
自動車用バッテリー部門が著しい成長を遂げる
- 自動車産業は、リチウムイオン電池を中心とする電池が電気自動車に使用されるようになると、電池の主要なエンドユーザー分野のひとつになると予想される。電気自動車の普及は、リチウムイオン電池産業の成長に大きな原動力を与えると予想される。
- ハイブリッド化や電動化が進み、さまざまなタイプの自動車が世界的に販売されている。ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電気自動車など、さまざまなタイプの自動車がある。
- 中東やアフリカの後進国では、需要の伸びはごくわずかである。中東地域では、ほとんどの国が原油生産に依存している。しかし、排ガス規制に合わせて、EVの需要は予測期間中に増加し、バッテリーの消費量も増加すると予想される。
- 南アフリカはアフリカにおける主要な自動車市場のひとつであり、日産リーフが2014年に電気自動車を発売した。2015年にはBMWが市場に参入し、i3とi8モデルを発売した。
- 2023年6月、BMWは南アフリカのプレトリアにあるプラント・ロスリンの工場に2億1,800万米ドルを投入すると発表した。この工場はBMWにとってドイツ国外初の海外工場であり、プラグイン・ハイブリッド・モデルX3を生産・輸出する世界で2番目の工場となった。
- 2023年7月、ベンガルールを拠点とする電気自動車メーカーのプラベイグは、サウジアラビアに製造施設を設立する契約をサウジアラビア・インディア・ベンチャー・スタジオと締結した。操業開始後は、湾岸、欧州、米国市場の需要に対応し、総生産能力は最大100万台となる。
- そのため、バッテリー価格の下落と技術の向上により、価格競争力のある電気自動車が市場に投入され、バッテリー技術に対する需要が生まれると期待されている。
アラブ首長国連邦、大きな需要が見込まれる
- アラブ首長国連邦は、民生用電子製品の普及と自動車販売の増加により、予測期間中に大きな需要が見込まれる。
- さらに、人口の増加により、建設・建築業界は依然として最も急成長している分野の一つである。インフラ開発プロジェクト(Abu Dhabi MetroやEtihad Rail Networkなど)、活況を呈している工業化、建設活動が同国では増加傾向にあり、その結果、バックアップ、照明、電動工具などの活動用電池の需要が補われると予想される。
- 2023年7月、アラブ首長国連邦(UAE)政府は、2023年末までにEV充電ステーションの数を2倍以上に増やす計画を発表した。
- アラブ首長国連邦政府は、2050年までに自動車保有台数の50%を電気自動車に、25%をプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)にする計画を立てている。一方、バスは70%が電気自動車、15%がプラグイン・ハイブリッド車、残りがICE、CNG、H2となる。UAEにおけるトラックの目標は、10%がPHEV、40%がハイブリッド車である。
- 大手EVメーカーは、アラブ首長国連邦でEVの新モデルを発売している。BMW i8、Mercedes GLC350e、Renault Zoe、Chevrolet Boltなどである。テスラはアラブ首長国連邦のEV市場を牽引しており、PEV保有台数の約半分をこの米国ブランドが占めている。これらの要因が、予測期間中、アラブ首長国連邦のEVバッテリー需要を促進すると予想される。
- Exide Al Dobowi LtdとEnergizer Middle East Africa Ltdは、アラブ首長国連邦のバッテリー市場におけるトッププレーヤーである。したがって、上記の要因から、アラブ首長国連邦が中東・アフリカ地域の電池市場を支配すると予想されることがわかる。