マーケットトレンド の メキシコの石油とガスの下流 産業
製油所部門が成長を遂げる
- メキシコでは、価格変動と世界的な石油需要の落ち込みにより、2016年から2020年にかけて製油所の能力が大幅に低下した。同国の石油下流部門も、価格自由化と貧弱なインフラの影響を受けている。既存の製油所を近代化するための13億米ドルの投資が発表されたことで、メキシコの製油所能力は伸びるだろう。2021年、メキシコの製油所処理能力は日量712千バレルだった。
- 2022年12月、メキシコ石油公社(NOC)ペメックスは、2023年半ばに同国8番目の製油所での生産を開始する予定である。完成すれば、オルメカ製油所の設備能力は340千バレル/日(BPD)となり、17万バレルのガソリンと12万バレルの超低硫黄ディーゼルを生産する。
- メキシコの国営石油会社Pemexによる新しい製油所が建設中で、2023年までに総稼働能力に達する予定である。これにより、メキシコは2023年に日量80万バレルのガソリンと日量50万から60万バレルのディーゼルを生産できるようになる。
- メキシコの精製能力は、製油所の建設と拡張により、予測期間中に若干の増加が見込まれる。また、天然ガス消費量の増加も市場の成長を後押しすると予想される。
石油・ガス生産の減少が市場を抑制
- 同国の油田・ガス田は成熟の域に達したため、石油・ガスの生産量は減少し始めた。しかし、ガスの消費量は増加カーブを描いており、これは同国における天然ガスの使用量増加へのシフトと関連している可能性がある。
- メキシコの天然ガス輸入量は、2020年の25億立方メートル(bcm)から2021年には9億立方メートルへと64%減少した。一方、2019年の輸入量は6.6bcmであった。この急激な輸入減は、同国の経済縮小に起因している。
- 天然ガス生産量は2020年の30.5 bcmから2021年には29.2 bcmへと4.2%減少した。しかし、天然ガス消費量は2020年の83.7 bcmから2021年には88.2 bcmへと5.3%増加した。ガス需要の増加が市場の成長を後押ししている。
- 石油消費量は2020年の日量1313千バレルから2021年には2.9%増の1350千バレルとなった。しかし、2021年の石油生産量は1.5%増加し、2020年の9510万トンから2021年には9650万トンとなった。
- 従って、メキシコの石油・ガスは、今後のプロジェクトにより、予測期間中に成長が見込まれる。しかし、石油・ガス生産量の減少が市場を抑制すると予想される。