マーケットトレンド の メチルターシャリーブチルエーテル (MTBE) 産業
市場を支配するガソリン添加剤セグメント
- メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)は、ガソリンエンジン用燃料のアンチノッキング剤やオクタン価ブースターとして広く使用されている。
- MTBEの低コストと有効性により、MTBEは世界第2位のガソリン添加剤となっている。これに加えて、MTBEは、オレフィン、鉛、ベンゼン、硫黄といった有毒な燃料成分の手頃な代替品となっている。
- 米エネルギー情報局(EIA)によると、2022年1月のガソリン消費量は世界全体で日量9,900万バレルと推定され、2021年1月から660万バレル増加する。
- 2021年のガソリン総消費量は23,238千バレル/日であった。
- EIAはまた、2022年を通じて世界のガソリン消費量は平均1億600万バレル/日となり、2021年から350万バレル/日増加すると予測している。
- MTBEの需要は、自動車産業からのガソリン需要の増加により増加している。OICAのデータによると、世界の自動車生産台数は約10%増加した。2021年の総生産量は8,014万台で、2020年より3%増加した。
- さらに、厳しい規制や、比較的毒性の低い代替品および/または環境に優しい代替品の存在が、MTBE市場の世界的な成長に影響を与えている。
- したがって、前述の要因は、今後数年間の市場成長に影響を与えると予測される。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- アジア太平洋地域が世界市場シェアを独占した。ガソリン需要の増加が、この地域におけるMTBE需要の主な原動力となっている。
- 安価な原料としてMTBEが広く入手可能であることと、ガソリン中の芳香族の魅力的な代替品であることが、この地域におけるMTBE市場の成長をさらに後押ししている。
- インド、中国、韓国、インドネシアなど多くの国が、生産能力を高めるために製油所に投資している。
- インドは2021年に1日当たり約465万バレルの石油およびその他の液体燃料を消費し、中国は2021年に1日当たり約1,525万バレルを消費したが、世界の石油および液体燃料の消費量は1日当たり9,707万バレルであった。
- インドにおける2021年のガソリン総消費量は62万7,000バレル/日、中国は322万2,000バレル/日であった。
- 計画・検討中の新規投資としては、S-Oil Corp.による韓国・蔚山での第2期石油化学プロジェクトや、インドネシアのPertamina Balikpapan施設における40億米ドルのアップグレードプロジェクトがある。
- インドでは、Nayara Energyがグジャラート州Vadinarで2,000万トンのMTBEプラントの拡張プロジェクトを立ち上げており、2022年末の完成を目指している。
- さらに、インドのマハラシュトラ州にあるウェストコースト製油所・石油化学プロジェクトの合弁事業として440億米ドルを投じるというサウジアラビアとインドの間で進行中の計画や、中国の浙江省にある製油所・石油化学プロジェクトに対するサウジアラムコの投資計画も、市場調査を後押しするだろう。
- したがって、こうした製油所の操業開始により、市場は今後数年間で力強い成長を遂げることが予想される。