マーケットトレンド の 世界的な脂質調節因子 産業
ブランドスタチン部門は予測期間中に著しい成長が見込まれる
ブランド化されたスタチンは、他の脂質調整薬よりもLDL-コレステロール濃度を下げるのに有効である。市場で入手可能なスタチンには、アトルバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンなどがある。これらのブランドのスタチンは主に脂質異常症の治療に使用されている。脂質異常症は、総コレステロール値や低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値の上昇、または高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値の低下と定義され、冠動脈性心疾患(CHD)や脳卒中の重要な危険因子である
糖尿病患者は脂質異常症の罹患率が高い傾向にあるため、糖尿病人口の増加が同分野の成長を促進すると予想される。例えば、世界保健機関(WHO)によると、糖尿病患者は全世界で4億人を超え、その治療費は世界規模で総医療費の約12.0%を占めている。糖尿病は世界的な流行病となり、世界中で数百万人が影響を受けている。現在、全糖尿病患者の約10%が1型糖尿病であり、残りは2型糖尿病である。スタチンはHMG-CoA還元酵素を競合的に阻害し、疾患集団の脂質レベルを低下させる
北米は予測期間中に大きな成長が見込まれる
北米は予測期間中に大きな成長が見込まれる。この成長は、肥満、糖尿病の増加、主要企業による製品発売などの要因によるものである。例えば、2021年5月に発表されたOECDのデータによると、米国とメキシコの北米諸国は、肥満と糖尿病の有病率が世界で最も高い国の1つである。さらに、過体重や肥満であることは、糖尿病の一般的なタイプである2型糖尿病を発症する可能性を高める。糖尿病の存在は脂質異常症のリスクを高めるため、脂質調整剤の需要は予測期間中に増加すると予想される。例えば、2021年12月に更新された国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)のデータによると、3,420万人以上が糖尿病を患っている(米国人口の10.5%)。また同じ情報源によると、推定2690万人の全年齢層が糖尿病と診断されている(米国人口の8.2%)。糖尿病と診断された人のうち、21万人が20歳未満の小児および青年で、そのうち18万7千人が1型糖尿病である
主要製品の上市、市場参入企業やメーカーの集中、主要企業間の買収や提携、米国における肥満症例の増加などが、同国の脂質調整剤市場の成長を促す要因となっている。例えば、2022年5月に更新されたCDCのデータによると、米国人の41.9%以上が肥満であった。米国における肥満の有病率は30.5%から41.9%に増加した。重度の肥満の有病率は同期間に4.7%から9.2%に上昇した。CDCは、肥満を米国における予防可能な死因の第1位とし、世界的にも米国においても慢性疾患の主要原因の1つであるとしている。併存疾患として知られる肥満関連疾患には、心血管疾患や一部の癌が含まれる。肥満の増加にはコレステロールのコントロールが必要であり、そこで脂質調整剤の出番となる