マーケットトレンド の ラテンアメリカの電子商取引物流 産業
Eコマース・ブームがラスト・マイル・デリバリー需要を牽引
3億8,600万人の人口を擁するこの地域には、Eコマースで成功するための潜在的な機会が豊富にある。経済不安の最中にEコマースが成長するとは多くの人は思わないだろうが、この急成長のほとんどは、インターネットとスマートフォンの利用が増加し、以前は手の届かなかった海外からの商品へのアクセスが可能になったことによる
ラテンアメリカにおけるEコマースの急成長は、オフラインでの即日配達という頑強なボトルネックに直面している。より早く顧客の手元に届くことが、密集した都心部にある倉庫やフルフィルメント・センターに投資家を引き付けている。しかし、メキシコシティやサンパウロのような巨大都市での商品の出し入れは、よくても低調だ
バンや小型トラックのドライバーは、ひどい交通渋滞の中、劣悪な道路を走り、広大な郊外にある大型倉庫からの配送を行い、しばしば到着が遅れる。eコマース企業はここ数年、配送にかかる日数を7~10日から2~3日に短縮しているが、目標は当日配送を達成することだ
メルカド・リブレは、ラテンアメリカにおけるこの分野の発展に主導的な役割を果たしてきた。第三者販売大手のメルカド・リブレは影響力を拡大しているが、多くの競合他社がメルカド・リブレのEコマース覇権に追いつこうと台頭している
アルゼンチンで誕生したオンライン・マーケットプレイスは、ラテンアメリカ生まれのEコマース企業リストのトップに君臨している。メルカド・リブレのオンライン決済サービスであるメルカド・パゴは、デジタル決済にも手を広げ、マーケットプレイスのビジネスモデルの内外を問わず、500億米ドルという驚異的な金額を処理した
デジタル化とオンライン取引への傾斜
現金社会の物流上の悪夢を回避するため、この地域をターゲットとするeコマース・プロバイダーは、この現実を管理する方法を発見した。オンライン消費者の約40%がPayPalの利用を好み、38%が代金引換を利用している
さらに、インターネット・サービスやデータのコストが低下し、クレジットカードやデジタル決済システムの利用が拡大したことで、オンライン・ショッピングを導入する際の課題も減少している。その結果、この分野はラテンアメリカの総小売 売上高の8~10%のシェアを占めるに至っている
ブラジルとメキシコは、ラテンアメリカにおけるeコマースの巨大な可能性を秘めている。ブラジルには現在7,740万人のeコマース・ユーザーがおり、2023年末までにさらに3,880万人がオンライン・ショッピングを利用すると推定されている。一方、メキシコのインターネット・ユーザーは1億331万人で、人口の半分弱を占めており、大幅な成長の余地がある